ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

元本割れを嫌う資産の運用先は債券。だけど、外貨建の場合は…


自分の今の現預金+国債は、量で言うと切り詰めて10年間暮らすくらい。
率で言うと資産の約50%になります。

それは多い、と言われそうですが、今だから多くなっているとも言えます。

来年になったら、その量を「9年間暮らすくらい」に減らし、その分をリスク資産へ付け替えているかもしれない。そして5年後になったら、「5年間暮らすくらい」程度にしてそのまま維持。

この先5年間、現金を1年分ずつ減らしてゆくという、そのココロは…。

失業から年金開始までの生活防衛費は、元本割れしない資産で持つ

会社勤めの都合に合わされる立場で今、もしも失業したら。

身も蓋もないですが、自分はあまり世渡りがうまくありません。
最悪だと収入の目処がたたないかもしれない。
だから10年間というのは、今時点から年金開始年齢までの期間なのです。

実際は失業保険を申請するし、退職金出るし、
バイトできるとは思うけど、そこはそれとして。

1年間、失業を免れて暮らせたら、その1年分を株式等の運用に付け替える。
現預金の残りが5年分になるまで同じことを繰り返します。

そうして運用するリスク資産は、年金開始のぎりぎりまで育てたい。
年金開始年齢になれば、公的年金とその他年金3種が受けられ、それまで育てていた配当収入を足すことができます。最終的に残す5年分というのは、年金のうち10年確定年金の終了後、徐々に取り崩して終末費用を払い、間に合う予定の金額量です。

万一、うまくゆかず現金が残らなかったら、運用資産に最後の働きをしてもらいましょう。



そういう予定なんだけど、現金はインフレに弱い

元本割れしない資産、と先に書きましたが、現預金は実はインフレで目減りします。
ここもとの円安環境で一層意識されているところです。

そんなときにも利息がついてインフレ対策を助けてくれるのが債券。
債券には債務不履行のリスクがあると言われますが、発行体に万一があった場合の返済順位は株よりも債券が上。債務不履行が起きるような事態のもとではおそらく上場は廃止、株も紙切れとなる一方、債券はまあまあの弁済が受けられる…かもしれません。

市場で債券価格が下がっても、売らなければ関係なし。
債務不履行にさえならなければ、元本はいずれ償還され、利息も戴けるという良い投資先です。

何言ってんの。利息が低すぎてインフレ対策どころじゃないわ。
2022年4月の国債でいうと、10年でも0.13%だね。

…なので、なるべく金利の良い債券を探す、というのが直近のミッションになります。

円建て債券で期間の短いものを探す

日本はひきつづき超低金利中なので、債券の利率もあがりません。
長期のものを持ってしまうと、超低金利を固定することになるので避けたいです。

探すとしたら、残り年数が3年未満で、既発なら価格が割引になっているもの…
って、ないわ(泣)

債券は大手証券が主役で、しかも店頭のみ販売が少なくないため、そもそもWeb上の取扱一覧に情報が出なかったりします。
ネットのみのユーザーには厳しいです…。

外貨建て債券が、為替リスクを超えるくらいの利回りになるのを待つ

外貨建はネットのみでも取扱が多く、金利は今まさに上がってゆくところ。
今の米国債でも年利2.2~3.8%とか、あなたは株式ですか? と聞きたくなるくらいの利率です。
いや、それだけの利率があれば、株式なんて選ばなくても…とすら思います。

ただし、外貨建の場合は利率がそのまま利益になるとは限りません。

  • 外貨を入手する手数料/円に戻す手数料
  • 為替差損が出るリスク

これを差し引いて大丈夫かを見積もっておく必要があります。
仮に債券価格が 2,000ドルで、10年債であり、10年間同じ額面だったとします。
債券額面の変化を無視している時点でもう色々乱暴な計算ですが、この利子を10年間ドルで受け取り、償還された後で全額を円転しようとしてみます。

乱暴ついでに、利子に対する課税はそのときの為替レートが適用されるため、10年間分の利子を試算するのは不可能。超ざっくりで幅があることを踏まえての目安にしかなりませんでした。

そのうえで…

  • 【超ざっくり】償還時に10円円高になっていた場合
    130円で購入し、120円で円転する場合の利回りはこんな感じでした。
    10円円高になると、折角の利回りが半分くらいに減りますね。
    ノギン 債券利回りの試算
    ※ブログ主の適当かつ勝手な試算です

※確定申告を行う前提で、二重課税の影響を排除した後の単純計算です。運用中はドルと円の両方で源泉徴収されるので、ドルの徴収額は確定申告で取り戻すとして計算に含んでいません。

  • 【超ざっくり】償還時に20円円高になっていた場合
    130円で購入し、110円で円転する場合の利回りを同様に計算したのがこちら。
    利率が2%だと収支がマイナスで、10年間の投資が無駄になります。
    ノギン 債券利回りの試算
    ※ブログ主の適当かつ勝手な試算です

逆に購入時より円安の状態で償還されたとしたら、爆益といえますが…。
償還額の為替差益分が新たに課税されるにしても、今年外貨債券が償還された方は羨ましいことです。

外貨建10年債の年利は3%以上が目安

こうして見ると、円高が110円まで進んでも棄損がなく、円債券より有利になるラインは「年利3%」あたりにある気がします。

元の利回りと比較すると、為替ってバカらしいわね…。

利率の高い債券は長期で持つのが良いといわれますが、超円高が来てしまったら酷いことになるので考えものです。運用期間の長短とあわせて大丈夫そうかを見てから取得し、為替の状況によっては運用中でも売却しなくてはいけないですね。

こうしてみると、外貨債券は債券でありながら、結構なリスク資産であるようです。

最後のコーヒー。バルニバービから引替品が到着


外食業界の優待はお店で使える優待券が定番です。

でも、お店のない地方を考慮して、優待券を返送して商品と交換できる方式も多いです。
バルニバービの優待券もそのパターン。

benzoin.hatenablog.com

お店に行くこともありますが、バルニバービに関しては専ら品物と引き替えています。

バルニバービ 株主優待品

クラフト紙の封を切ると、同じテイストのクラフトパッケージで「足立ブレンド」「モカブレンド」の豆が2袋。袋自体は丈夫なチャック付アルミなので湿気も安心です。

バルニバービ 株主優待品

スロージェットコーヒーというのはお店のメニューから来ていて、スローコーヒーは手淹れ、ジェットコーヒーはエスプレッソマシンのメニューだそうです。
お店で味わうのが一番なのでしょうが、なんでもない自宅でコーヒーマシンにお任せしてもリラックスできました。

スローでもジェットでもないわね。
それは、飲む速度がスロー…。(震え声)

今年は保有方針を若干変更していまして、こちらも売却したのでこれが最後のコーヒーです。
株主ではなくなりましたが、美味しい時間にこだわるお店が報われることを願っています。


【オウケイウェイヴ】避ける機会はあったはず…怪しい取引先の資産運用


取引先に資産運用を委託したら、そこが詐欺屋だった…というショックな目にあった上場企業。

benzoin.hatenablog.com

当初は、こんな不運を予測するのは難しいので、普通の企業としては委託しないでおくか、普通の審査を普通に丁寧にやるしかないんだよな…と同情的な気持ちでいたものです。

しかし、続いて開示された続報を見たらその印象が変わりました。



www.nikkei.com

開示では、今回の委託先となった問題企業の概略が出ており、その抜粋がこちら。

Raging Bull 合同会社

合同会社
…資本金20万円?

前段でオウケイウェイヴが開示していた運用委託金額は、約49億円 です。

上場企業が。
49億円の資金を。
資本金20万円の合同会社に運用委託する。

いや、ないわ…。

どんな関係性だったのか知る由もないですが、普通に審査していたらこうはならんでしょう。

そして、問題の取引先は自己破産を申請するらしいです。
詐欺をやっておいて、自己破産で逃げ得って許されるんですかね。

しかし、これはないわ…。

大手証券会社からIPO(新規株式公開)株式の特別枠を割り当てられたとして同株式の買い付けを目的に投資家を募っていたが、実際に当社に割り当てられた事実はなく、投資家から預り金などとして口座に入金された金銭は、ほかの投資家への支払いに流用されるなど自転車操業に陥っていた。

信じちゃ駄目でしょ。

今更ながらインフラファンドを比較してみた


国の時限制度を利用することで安定的な売電収入を得て、その収益を分配するのがインフラファンド。
2036年頃から徐々に転機を迎えると言われますが、投資先の選定や積み増しを考える際のの各指標にはどんな個性があるのでしょうか。

少し時間があったので、自分が知りたくて確認してみました。

発電規模の比較

2022年5月現在でインフラファンドは7法人あります。
最初に、総発電力(パネル数から計算された公開値)と物件数を確認します。

※2022年5月4日時点の情報を参考にしています。
※表示幅の都合で法人名の一部を短く省略(インフラ→「I」等)しています。

順位 コード 略名 総発電力 MW 物件数
1 9284 カナディアンSI 183.9 25
2 9281 タカラレーベンI 171.5 42
3 9286 ネクスI 155.5 9
4 9283 再生可能エネI 109.2 55
5 9287 ジャパンI 90.0 36
6 9286 東京I 46.0 11
7 9285 いちごグリーンI 29.4 15

法人全体としての発電規模は思ったよりバラツキがありました。

営業収益経常利益率の比較



次に、これらの収益力を確認します。

総収益(企業でいうところの総売上)に対する経常利益率が高いほど、収益力が高いことになります。
各ファンドの2022年5月時点から逆算して、直近2期の「営業収益経常利益率」を平均すると、利益率が高い順に下記のようになりました。

順位 コード 略名 直近2期平均値
1 9284 カナディアンSI 31.35
2 9281 タカラレーベンI 26.95
3 9287 ジャパンI 24.55
4 9286 東京I 21.50
5 9283 再生可能エネI 20.55
6 9286 ネクスI 16.80
7 9285 いちごグリーンI 16.05

発電規模の上位2法人が、営業収益経常利益率でも同様に上位を占めました。

下位1法人も同様であることをみると、全体規模の大きさはある程度利益率に関係しそうです。

しかしこの利益率、令和3年の「中小企業実態基本調査」結果の平均値が 3.25%であることを踏まえると凄い数字です。費用の大半が減価償却費という、投資法人特有のシンプルさ(?)が威力を発揮しているのでしょうか。

利益超過分配率の比較

このブログを書いてみようと思ったきっかけです。
Jリートやインフラファンドでは、物件取得後の減価償却費を留保せず、利益分配金と合わせて投資者へ戻すことがよくあります。

benzoin.hatenablog.com

その裁量は法人に任されていますが、比べてみるとやはり傾向はあるように思われました。
参考のため直近の利回りとともに並べてみます。

順位 コード 略名 1口
分配金
うち利益
超過分配金
利益超過
分配率
利回り
税引前
1 9281 タカラレーベンI 3,039 411 13.5% 6.2%
2 9284 カナディアンSI 3,750 848 22.6% 6.1%
3 9287 ジャパンI 2,953 692 23.4% 6.4%
4 9283 再生可能エネI 3,200 1,110 34.7% 6.2%
5 9285 いちごグリーンI 3,945 2,195 55.6% 5.6%
6 9286 東京I 3,036 1,704 56.1% 6.3%
6 9286 ネクスI 6,000 3,437 57.3% 6.6%

分配金利回りはどの法人も非常に高い値ですが、利益超過分配金の比率は分かれました。

ここでも、営業収益経常利益率の上位2法人が変わらず上位にいます。
これらは、利益超過分配金が少なくとも利益分配金が十分に出せる法人といえそうです。

反面、分配金利回りが高くともその半分が利益超過分配金というところは、利回り6%を出すためにギリギリまで減価償却費を返却しているのではないか…と見えてしまいます。

利益超過分配金って、長期運用時の解釈が面倒だな…。

減価償却費を返却ということは、そのぶん投資元本が減ったということなので、普通のケースでは利回りアップとか、元本回収までの期間短縮を想像します。
しかし、毎回の配当金に利益超過分配金が含まれてしまうと、本当の利回りはどうなるんだろうと感じます。面倒なので計算していませんが…。

比較の結果、気になった法人について

各指標で上位となった2法人については、今後の参考にしようと思います。
また素人考えであることを前置きしたうえで、順位にばらつきの出た下記2法人が気になりました。

  • 9287 ジャパン・インフラ投資法人
    発電規模が小ぶりだが、収益率が良い。
    物件費用が小さくすんだのでしょうか。
     
  • 9286 エネクス・インフラ投資法人
    少ない物件数で大規模に発電しているが、収益率がふるわず利益超過分配金に頼っている。減価償却期間の終了後、また、FIT制度(電力の固定価格買取制度)の終了後が気になります。

FIT制度は上場後の物件取得から20年間なので、最初の上場から20年後となる2036年以降に注意です。
また、インフラファンドの法人税が実質非課税となる期間も同じく20年とのことなので、その点もJリートと異なっています。Xデーが近づくと、扱いが神経質になりそうと感じました。

※上記のデータは、2022年5月4日時点の各社ホームページ等の情報をもとに、ブログ主が手元で計算したデータを記載しています。事前に確認を行っておりますが、見間違いやミスがあり得ますので参考のみでご覧いただき、最新の情報についてはご自身で各所よりご確認ください。

ティーガイアの株主優待、長期保有要件を追加


ティーガイア(3738)は携帯販売代理店の最大手。
株式会社クオカードを子会社に持ち、クオカードの優待を実施していることでも知られます。

このところの株価は低迷していましたが、こんな優待変更を開示しました。

優待条件の変化

  変更前 変更後
優待回数 2回 2回
優待内容 クオカード 1,000円 クオカード 1,000円
長期保有要件 なし 6ヵ月以上保有が必要
長期保有特典 1年以上で 額面追加あり 3年以上で額面追加あり

もはやお馴染みの感がある長期要件追加でした。

長期保有特典の変化

長期保有特典に関してはこんな感じです。

(変更前)

株数 保有1年未満 保有1年以上
100株以上 3月 1,000円
9月 1,000円
3月 1,000円
9月 2,000円
300株以上 3月 1,000円
9月 2,000円
3月 2,000円
9月 3,000円

(変更後)
=減額、=増額です。

株数 保有半年~3年未満 保有3年以上
100株以上 3月 1,000円
9月 1,000円
3月 2,000円
9月 2,000円
300株以上 3月 1,000円
9月 1,000円
3月 3,000円
9月 3,000円

保有3年未満は改悪、3年以上は拡充となった模様です。
現時点で3年以上保有している方にはラッキーな拡充、かな?

年2回クオカードという優待内容からして、優待目当ての株主は多いことでしょう。改悪一辺倒にならないように工夫したと思われます。

ただ、長期優待の延長が実施されると、それが再延長や廃止の道筋となることもあり…。
ティーガイアに関してはクオカードのスポンサー的な位置づけでもあるため、他のクオカード優待より廃止率が低いことを期待していましたが、この先はどうなってゆくでしょう。

販促効果を期待して実施される優待であれば、今後も継続する可能性が高いです。
クオカードの優待が、クオカードの販促に繋がるか? というと、まあ微妙かもしれません。
続いてほしくはあるんだけどなぁ。



こちらもクオカード優待ですが、やはり長期保有内容を変更しています。

benzoin.hatenablog.com

短期保有の優待をとりやめるという変更もあります。

benzoin.hatenablog.com

休日と紫色のアスパラガス

ラワン蕗、アスパラガス、スイートコーンは個人的北海道野菜の3王者です。
初夏はどれも美味しい季節ですね。ごくり…。

先日、親族がアスパラガスを贈ってくれました。

北海道アスパラガス

5月第一週の日本市場は一応飛び飛びに開きますが、ゴールデンウィークが世界からの隔絶を招くのは仕方ありません。
休日明けの荒波に備え、大人しく食べ物でも愛でておくのも一興かと。

写真の一角にある紫色のアスパラガスは表面の皮だけが紫色をした品種で、固い繊維が少なく、生に近い状態でもパリパリ美味しく食べられます。

綺麗ですね。そして太い!

紫アスパラガス

この紫色、熱で壊れてしまうので料理するとみるみる緑色に変じます。
夕食のメニューはナポリタンソースのパスタにします。炒めた野菜と和えたところまではまだ紫でしたが、熱々の茹でパスタ投入でたまらず紫は消え、穂先まで緑色の普通のアスパラになりました。

おまけです。最近チョット嬉しかった画面をひとつ。

ノギン アクセス数キリ番

偶然、キリの良い数字にあたった!


「投資できない自分」になるリスク。20年前に遡る、シンプルな失敗と教訓

2022年の自分の配当益は、前年が約30万弱、今年の見込が40万円強です。

そこだけ取り出すと、「頑張ってるね」となりますが、投資歴を振り返るとこの成績はおかしい。
1年間で10万円の配当増なのに、20年以上前に口座開設した結果の昨年がなぜ30万円なのかと。

そこにはやはり失敗があったわけです。

今の人ならば、指先ひとつで簡単に避けることができる失敗です。
今から思えば、重ね重ねもったいない…。
周りの若い人に言ってやってくださいませ。こういうのは後々残念に思うよと。

その失敗とは、「不参加」というものでした。
自己紹介をかねて書いてみます。



投資のきっかけは受動的な口座開設

若かった頃、自分は「社会人として」という言葉にたいそう弱かったです。

社会人として、クレジットカードくらい持っていないと。
社会人として、日経新聞くらい読まないと。
社会人として、株取引くらい知っていないと。

最初の2つはともかく、証券口座は勤め人にはハードル高い。
(当時の売買は窓口か電話だったため)

そんななか、2000年に日本初のネット銀行が誕生します。
それと時を合わせて、大手証券としてはネット対応で先行した大和証券が大々的にチラシを配りました。
デキル大人はネットで証券…とか、そんなコピーがあったような、なかったような。

それを言葉通りに受け取った自分は、「社会人として」大和証券のダイワダイレクトと、ついでにジャパンネット銀行(今のPayPay銀行)も同時契約したのでした。

しかし、当時の金融リテラシーはゼロ。
「社会人の嗜みとはお金がかかるものだな…」
と、的外れな感想を持ちながら預貯金200万円を口座に移し、自分の投資ライフが始まりました。

【反省点】
このときせめて、目標くらい設定すればよかったよね。

最初は、売買の失敗は意外と少なかった

2000年といえば Windows95/98 の時代。モニターは重くて邪魔なブラウン管でした。
いや、Windows3.1、DOS などの化石OSもまだまだ健在で、世の中は郵便文化、紙文化です。

っていうか、自宅の通信手段ってアナログモデム(速度14Kくらい!)じゃなかったかな。

スマートフォンなどあるはずもなく、起動に長時間かかるパソコンを出勤前に見るでもなく、取引の機会は限られました。

しかし、当時の大和証券は月次取引報告書の郵送とともに、「この銘柄を見るとよい」「いつ頃売るとよい」的なレポートを同封してくれて、これがそこそこ優秀だったのです。
ネット対応黎明期の大手証券は、店頭コンサルと同じ情報を提供したのかもしれません。
そのとき売らなければ今頃は… というのはまた別の話。
 

唐突に証券口座の存在を忘れる

1年ほどが経過し、保有銘柄がノンビリと3~4を数えたころ、自分に転機が訪れます。
鬱状態と診断されました笑

当時の残業時間は70~140時間、業務内容はデスマーチの繰り返しで、休職が実現した頃は信号機の色も読めないほど頭が湧いていました。
正直、何ヶ月休職したのか覚えていません…。

そのあとのリハビリと自立支援医療を入れると、数年ではすまないステータス異常が続きます。
投資という単語はしばし人生から消えていました。

優待も戴いたはずだけど、どう扱ったか覚えてない。

自分の場合はこうなりましたが、病気になったのが失敗だ、ということではありません。
人生にはそのときどきで最優先となるべき事項がたくさんあります。
その過程で、投資どころではないタイミングがあっても仕方ないと思うのです。

ただ、そこで中断したのがとても勿体なかっただけで。

【反省点】
自分の状況にかかわらず、投資が継続するようにしておけばよかったよ。

 

15年後、失ったものの大きさに気づく

証券口座へのログインを再開したのは2011年頃だったようです。
それから目を覆うほどアホな取引履歴が記録されるわけですが、それはまあいいです…。
そして2015年末、あるきっかけで資産を棚卸しして、

「ん?」

となったわけです。

そのときはじめて気づきました。
長期の複利運用に参加しなかったのは、それだけで罪深い と。

あのとき、無配投信の1本でも持っていれば… と思っても後の祭りです。
持っていれば、自分が病気で消えている間もずっと、お金が複利で働いてくれたのに…ね。
更に自動積立なんかを設定していれば、相当な支えになったでしょう。
 

失敗から学べること

20代、30代、時間のある人は将来のお金を持っているのと同じです。
Twitterやブログでモチベを上げながら運用を続けられます。

が、それを司る肝心の「自分」にリスクが潜むことはあまり意識されません。

  • 事故や病気
  • 投資に興味をなくす
  • もっと大事なことができる

など、「自分」には色々な事態が降りかかります。
1分先の「自分」にさえ、不測のリスクがあると言えます。
でも、そこでいちいち中断するのは本当にもったいない。

【自分へのリスク対策】
投資目標を設定して、安定的に投資が続く仕掛け作りをしておこう。


今なら投資環境は充実しており、情報収集もとっても簡単。
iDeCoやつみたてNISAなんかが基本でありますね。
プラスアルファで投信積立でもいいですし、個別株を持っているなら、単位の小さいETFに定期購入設定を利用して配当金の自動再投資もいいです。それなら収入が途絶えても続きますし。

自分に合う方法がきっと選べます。
指先ひとつで仕掛けを作って、「投資できない自分」に陥るリスクをサクッと回避してくださいな。