2022年の自分の配当益は、前年が約30万弱、今年の見込が40万円強です。
そこだけ取り出すと、「頑張ってるね」となりますが、投資歴を振り返るとこの成績はおかしい。
1年間で10万円の配当増なのに、20年以上前に口座開設した結果の昨年がなぜ30万円なのかと。
そこにはやはり失敗があったわけです。
今の人ならば、指先ひとつで簡単に避けることができる失敗です。
今から思えば、重ね重ねもったいない…。
周りの若い人に言ってやってくださいませ。こういうのは後々残念に思うよと。
その失敗とは、「不参加」というものでした。
自己紹介をかねて書いてみます。
投資のきっかけは受動的な口座開設
若かった頃、自分は「社会人として」という言葉にたいそう弱かったです。
社会人として、クレジットカードくらい持っていないと。
社会人として、日経新聞くらい読まないと。
社会人として、株取引くらい知っていないと。
(当時の売買は窓口か電話だったため)
そんななか、2000年に日本初のネット銀行が誕生します。
それと時を合わせて、大手証券としてはネット対応で先行した大和証券が大々的にチラシを配りました。
デキル大人はネットで証券…とか、そんなコピーがあったような、なかったような。
しかし、当時の金融リテラシーはゼロ。
「社会人の嗜みとはお金がかかるものだな…」
と、的外れな感想を持ちながら預貯金200万円を口座に移し、自分の投資ライフが始まりました。
このときせめて、目標くらい設定すればよかったよね。
最初は、売買の失敗は意外と少なかった
2000年といえば Windows95/98 の時代。モニターは重くて邪魔なブラウン管でした。
いや、Windows3.1、DOS などの化石OSもまだまだ健在で、世の中は郵便文化、紙文化です。
っていうか、自宅の通信手段ってアナログモデム(速度14Kくらい!)じゃなかったかな。
スマートフォンなどあるはずもなく、起動に長時間かかるパソコンを出勤前に見るでもなく、取引の機会は限られました。
しかし、当時の大和証券は月次取引報告書の郵送とともに、「この銘柄を見るとよい」「いつ頃売るとよい」的なレポートを同封してくれて、これがそこそこ優秀だったのです。
ネット対応黎明期の大手証券は、店頭コンサルと同じ情報を提供したのかもしれません。
そのとき売らなければ今頃は… というのはまた別の話。
唐突に証券口座の存在を忘れる
1年ほどが経過し、保有銘柄がノンビリと3~4を数えたころ、自分に転機が訪れます。
鬱状態と診断されました笑
当時の残業時間は70~140時間、業務内容はデスマーチの繰り返しで、休職が実現した頃は信号機の色も読めないほど頭が湧いていました。
正直、何ヶ月休職したのか覚えていません…。
そのあとのリハビリと自立支援医療を入れると、数年ではすまないステータス異常が続きます。
投資という単語はしばし人生から消えていました。
自分の場合はこうなりましたが、病気になったのが失敗だ、ということではありません。
人生にはそのときどきで最優先となるべき事項がたくさんあります。
その過程で、投資どころではないタイミングがあっても仕方ないと思うのです。
ただ、そこで中断したのがとても勿体なかっただけで。
自分の状況にかかわらず、投資が継続するようにしておけばよかったよ。
15年後、失ったものの大きさに気づく
証券口座へのログインを再開したのは2011年頃だったようです。
それから目を覆うほどアホな取引履歴が記録されるわけですが、それはまあいいです…。
そして2015年末、あるきっかけで資産を棚卸しして、
となったわけです。
そのときはじめて気づきました。
長期の複利運用に参加しなかったのは、それだけで罪深い と。
あのとき、無配投信の1本でも持っていれば… と思っても後の祭りです。
持っていれば、自分が病気で消えている間もずっと、お金が複利で働いてくれたのに…ね。
更に自動積立なんかを設定していれば、相当な支えになったでしょう。
失敗から学べること
20代、30代、時間のある人は将来のお金を持っているのと同じです。
Twitterやブログでモチベを上げながら運用を続けられます。
が、それを司る肝心の「自分」にリスクが潜むことはあまり意識されません。
- 事故や病気
- 投資に興味をなくす
- もっと大事なことができる
など、「自分」には色々な事態が降りかかります。
1分先の「自分」にさえ、不測のリスクがあると言えます。
でも、そこでいちいち中断するのは本当にもったいない。
投資目標を設定して、安定的に投資が続く仕掛け作りをしておこう。
今なら投資環境は充実しており、情報収集もとっても簡単。
iDeCoやつみたてNISAなんかが基本でありますね。
プラスアルファで投信積立でもいいですし、個別株を持っているなら、単位の小さいETFに定期購入設定を利用して配当金の自動再投資もいいです。それなら収入が途絶えても続きますし。
自分に合う方法がきっと選べます。
指先ひとつで仕掛けを作って、「投資できない自分」に陥るリスクをサクッと回避してくださいな。