ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

株主優待の長期保有は新NISAへ持ち越せます。株主番号を攻略しよう

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さて、2024年はいよいよ新NISAの年です。
若い方や、投資をこれから検討する方々にはとても明るい内容ですね。

ところで知っての通り、新NISAの口座は旧NISAや特定口座とは別物。
これまで投資歴が長く、制度変更前のNISAも充分活用して株主優待の長期保有優遇を受けていた場合、新NISA移行のための「買い換え」を行っても大丈夫なのでしょうか?

  • 旧NISAから新NISAへ移行しても、長期優待の保有期間を引き継ぎたい。

大丈夫です。その願い、「株主番号」を理解することで実現しますよ。
ただ、購入売却の順番や資金準備に関しては注意点があるので、理解しながら進めてゆきます。



株主番号にかかわる「3つの組織」について

さて、株主の所有権を表し、配当や優待を受けるにあたり、絶対に必要となるものがあります。
それは、株主一人一人に割り当てられる「株主番号」です。
では、この株主番号はどう決まるのでしょうか。

まず、株主データの大元は「証券保管振替機構(ほふり)」が持っています。これは内閣総理大臣法務大臣指定の機関で、金融市場の決済機能を担う日本で唯一の振替機関となります。

そして次に、株主番号と株主名簿を業務上必要としているのは 各企業(株式会社等) です。

上場企業はその審査基準により、株式名簿の管理事務を外部に委託しなければいけないため、各企業の定款で 「株主名簿管理人」 と定められた信託銀行等に「名簿が必要になったので、最新情報をください」と依頼するのですね。

というわけで、この3つの組織が株主番号の決定や待機期間にかかわっています。

  • 最新情報を持っている「ほふり
  • 最新名簿が欲しい「株式会社等」
  • 依頼を受けて名簿を取り寄せる「株主名簿管理人」

※株券が紙だった頃は、3番目の株主名簿管理人が株主番号を最終決定しましたが、現在はその機能はありません。

へえ。
証券会社も口座種類も登場しないのか。
ていうか、株式会社とか名簿管理人って名簿がほしいだけで、株主番号の決定には別にかかわってなくない?

いやいや、それがですね。
ここが曲者というほどの、大きなかかわりがありまして。

株主番号の判定はリアルタイムではない

下記は、ほふりが公開する「上場株式の振替制度の構造のイメージ図」の一部です。

ほふり 上場株式の振替制度の構造のイメージ図

この右端にある、「情報提供請求」という矢印がミソです。

ほふりはこの請求を受けて「総株主通知」を作成するとき、株主の情報を集約して自動・手動の「名寄せ」を行い、最終的な株式の所有者を確定・集約するのですね。

この名寄せにより、A証券の特定100株とB証券のNISA400株が「株主番号○○氏の500株」になったり、どの口座にも無くなったから株主離脱だ、ということが確定したりするのです。

そして、企業が総株主通知を請求するのは…、

  • 配当権利日の到来
  • 株主総会(定時・臨時)の招集
  • 四半期など、優待企業が株主を確認したい時

などの特定のタイミングです。
ここに、株式の長期保有判定で「新NISAを途切らせない」ポイントがありそうですね。

総株主通知が出た時点で、同じ株主・株数であればよい…?

ピンポーン。
では、旧NISAと新NISAの購入売却をシミュレーションしてみます。

株主番号・株数が変わらないための基本手順





企業が総株主通知を取得したときに、つじつまがあっていればよい。
株主情報は名寄せされるので、金融機関や新NISA・旧NISAといった口座の違いは関係ない。

これに加え、売買による株主振替が自動化されている点を踏まえて安全手順を想定すると、こんな感じになります。

旧NISAから新NISAへの移行例
株主番号を変えない安全策は、口座間の保有重複期間を作ることだな。

この手順は、いつ情報を取られても同一株主である状態が継続します。
ただし、重複を実現する(一時的に多く保有する)ためのお金が先に必要です。
お金が余っている幸運な方は、そのまま保有残高を増やしてしまうのも一案でしょう。

このような買い方は危ない気がする

保有に重複期間がない、つまり「売ってから買い直す」方式だと、いったんは銘柄の保有がゼロになり、その後新規の保有が発生します。

下図では売却・購入で所有者が変わることにより、2度の振替が発生しています。
もし、この間に名寄せがあれば、株主番号は変わることになりますが…。

旧NISAから新NISAへの移行例

実のところ、この買い方でも問題ないかもしれません。総株主通知取得タイミングでないときの保有状況は変化してもよいはずで、「売却しても株主番号が変わらないことがある」と言われたりするのはこのためでしょう。

しかし、そこに賭けるのは怖いですよ?

現在の市場取引は高度に自動化された世界です。
いずれ制度の変化などで、名寄せ処理が売買日に追随してきたら大変です。
それに、「総株主通知取得タイミング」は後述の通り、予想外に訪れるかもしれません。

長期優待の継続性を重視するなら、たとえ余分のお金が必要になっても「旧NISAを売るより先に、新NISA購入」で行きたいものです。

権利日だけじゃないぞ! 貸株の「優待自動取得」が危険なワケ

NISAの話題からは少し離れますが、特定口座で貸株している方は多いと思います。
貸株の「優待自動取得」をONにしておけば、権利日には自動的に所有権が戻る仕掛けですね。

しかしこれ、ちょっと危ないです。

さきに書いたように、ほふり名寄せを行うのは、「企業が総株主通知を請求したとき」であるので、それが「期末権利日」だけとは限らないわけです。

突然の出来事で、臨時株主総会を招集とか。
株式分割・併合するとか。
合併が決まって交換比率を通知とか。

こういうイベントはいつ起きるかわかりません。
でも、起きてしまえば企業は株主に通知するため、総株主通知を請求しますね。

そんなときに貸株で証券会社名義にしていると、その状態で名寄せされた結果…、重要な通知が届かない・権利行使ができないかもしれませんよ。

長期保有要件を確保している方ならば、まさか全部貸株にはしないと思いますが、長期なしの優待狙いの場合はこんなリスクもあることを踏まえましょう。

ちなみに、NISA口座は貸株できないのでこの心配はありません。

結論、長期優待は新NISAへ持ち越せる

くつろぐ人


長期優待を受けている株主が一番気にするのは、「長期保有の状態を、このまま途切らせないこと」ですね。それはつまり、100株なら100株、500株なら500株判定分の株主番号をずっと同じにしておく、ということでもあります。

そして、株主番号の継続に重要な役割を果たすのは企業とほふりであって、証券会社の口座種別ではないことがわかりました。

要件の株数が多くても、一度に移行しなくても大丈夫。
旧NISAでの非課税はすぐには終わらず、購入時点から5年間は続くので、数年かけての段階移行でもよいのです。

お金を準備して~、
名寄せ後の保有を途切らせないように購入して~、
権利日ごとに口座間の合計が権利株数になるようにしながら~、
計画的に進めればいいのね。

こうしてNISA制度の恩恵を受けつつ、長期優待も継続し、楽しく過ごして参りましょう。
あ、旧NISAの保有は、銘柄株数ごとに何年後が期限になるかの管理を忘れずに。




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