ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

不振のリートを凌駕する不振、インフラファンドを考える

カバー

Jリート、色々理由は言われていますが今年はずっと安いですね。
価格が下がると利回りは概ね上がるので、「安いよ」「買ったよ」の声もちらほら聞こえます。

しかし、その声すら聞こえない一角があるのにお気づきでしょうか…。
構成銘柄数がわずか5つと、市場縮小が懸念されるインフラファンドです。




短期チャートは「値下げ祭り」の様相

当ブログは投信に加え、資産からの配当を重視しています。
資産全体に占めるJリート・インフラファンドの割合は 6%ほどですが、配当額に対しては25%、約4分の1が投資法人Jリート含)からの定期収入となっていました。なんだかんだで利回りが良いわけです。

では、その価格はというと…
たとえば、下記は時価総額が最大のインフラファンド、カナディアン・ソーラー投資法人の投資口価格(2024年7月9日終値)です。

カナディアン・ソーラー 株価チャート


あーあーあー。
これは酷い。持てば持つほど含み損でございますよ。

株高効果が打ち消されております…。

インフラファンドはJリートと同様の投資法人ですが、リートには物流・住宅・ホテル等と様々な特化領域があるのに比べ、インフラファンドの方は全て太陽光発電が主力です。そのあたりの均一性も意識されてか、「売るとなったら全銘柄を売る」的な傾向になりやすいでしょうか。

全銘柄といっても、全部で5銘柄だしなぁ。
うん、確かに市場が小さい…。

ついに利回りが10%を超えるファンドも

そして、2024年7月9日時点の価格で来年の予想利回りを計算するとこの通り。

コード 銘柄 1口投資額 税引後利回り
9286 ネクスインフラ ¥71,900 6.65%
9287 ジャパンインフラ ¥71,900 6.66%
9282 いちごグリーンインフラ ¥59,400 10.67%
9284 カナディアン・ソーラー ¥91,800 6.55%
9285 東京インフラ ¥73,100 6.57%

わー凄い(棒)

長期保有するでもなく、単年でポイと買って利回り(税引後)10%って、まあまあチートではないでしょうか。先々懸念があるとはいえ、ここまで買われないなんてなぁ。
これ、どういうことなのでしょうね。

太陽光発電は元々、下記が懸念事項とされてきました。

  • FIT(固定価格買い取り制度)の価格低下
  • 新規開発の適地が枯渇
  • 発電所同士の価格競争に負ける
  • インフレ下では、FITの長期固定価格が逆に不利となる

しかしそれらは、「元々わかっていたこと」です。
だからきっと、今の売り傾向というのは、元々の懸念事項がどんどん前倒しで消化されて、もっと魅力的な資産へとお金が移動する現象なのでしょう。

「配当込み」の指数は少しだけ違う景色

下図は、JPXの「レポート・ガイドブック」ページに掲載された「月刊インフラファンドレポート」2024年5月版の一部です。(リンク先は常に最新版が出るようなので、下図はある時点のコピーとしてご覧下さい)

「月刊インフラファンドレポート」2024年5月版より


価格動向を表す下側の指数(緑色)の下落幅に対し、配当込みの上側の指数(水色)はもう少し穏やかです。投資口価格が売られすぎの状況のように見えます。

時価総額の推移はこんな感じ。

「月刊インフラファンドレポート」2024年5月版より


かなり長期のグラフになっており、直近では時価総額の減少がみられますが、これをもって「資金が大規模に抜けつつある」状況かどうかは見る人次第、といった印象です。

再生可能エネルギーに引き続き投資できるか?




ファンドによっては出力制御(電力会社からの要請により、電力供給を遮断されること)を多く受けるところがあります。いわゆる供給過多の状況ですが、これは発電エリアや時期が影響すると言われ、東京インフラ、カナディアンソーラーが出力制御多めです。


出力制御を受けると、その分は逸失賃料となって減収、分配金低下、となるので、インフラファンドにはマイナスです。
ただ、今年2024年は経済産業省資源エネルギー庁「出力制御対策パッケージ」が走ることもあり、一方的な低下にはならないでしょう。

太陽光のFIT終了に対しては、エネクスインフラ・ジャパンインフラなどが対策強化を謳っており、風力・水力・バイオマスなどの発電を開発中です。

しかし、あくまでこれらは開発中、育成中…。
太陽光以外に関しては、より「投資」の性格が強そうです。

諸々の課題もあるインフラファンドなので、単に「安定高配当」だけで投資すると、それを崩すような諸々の不安要因に駆られがちです。
ここはひとつ基本にかえって、「自分は再生可能エネルギーのある社会が欲しいか、投資を続けたいか?」を問い直してみましょうか。

それでOKなら投資を続け、結果の分配金を喜んで受け取るのが良いでしょうね。



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