とある時点でTOB期待が持ち上がり、大幅高となったティーガイア。
期待は事実となり、遂にTOBが開示されましたが、価格の方は「期待外れ」のようです。
直近株主に手痛い内容
■期待で高まった株価より 1,000円安のTOB
ティーガイアの株価は元々、2,000円未満で推移していました。
それが、2024年6月24日を境に跳ね上がり、最終的には 4,000付近にまで到達します。
このときの直接のニュースは、ecbo(東京都渋谷区)との資本業務提携による収益期待となっていましたが、ニュースではない情報としては当時から「それだけではないだろう」「何か漏れてるだろう」などと言われてTOB期待があった様子です。
もちろん、その時点で情報は無いので、あくまで期待・想像に過ぎないはず。
…だったのに、株価はそれからずっと落ちません。
やはり、根拠のある期待なのか? という疑心暗鬼の末、遂にTOBの開始が開示されます。
その金額は…!
開示日の終値 3,670円と比べて、1,000円安い価格なのでした。
これは痛い…。
6月急騰以降の取得者は、ほぼ損失を被ってしまいます。
■成立すれば、9月権利分は無配と優待廃止
もうひとつ痛かったのが、この開示が9月の権利日後だったこと。
ティーガイアは3月・9月と年に2度のクオカード優待(長期保有優遇つき)があったので、たとえ売却検討中であっても9月権利までは持ちたいと思う方は多かったのではないでしょうか。
しかし、今回のTOBが成立すれば、せっかくの権利越えも無意味となります。
過去に遡って優待を廃止する残念パターンの出現です。
開示の表題は「2025年3月期」となっていますが、これは 2024年4月~2025年3月の期間のことであるので、その中間配当の 2024年9月も無配ということですね。
ティーガイア自身はTOBを「推奨」ではなく「中立」
株価急騰のせいとはいえ、結果的にこれだけのディスカウントTOBになったことはティーガイア自身も不本意だったか、意見表明は「推奨」ではなく「中立」としました。
うーん。ご判断に委ねるって言ってもなぁ。
零細株主がTOBの不成立に賭ける成算は? というと尻込みしたいし。
応募しないまま上場廃止になったら、どのみち強制売却ですよね。
そうとは知らず売り抜けていました
自分もティーガイアは保有しており、急騰前からの保有による含み益を期待していたため、今回の開示には思わず「ぐふっ」と声が出ました。旧NISAにつき、今回権利までは配当優待が欲しくてキープしていたのです。
やんぬるかな、市場で売却するしか… と思ってアプリを開くと、あれれ?
保有銘柄にティーガイアが無いぞ?
なんと、開示直前の当日14時過ぎに約定していました。
そういえば、権利通過後に長期指値を出していたんだっけ。
ぎ、ぎりぎりナイスだ自分…。
TOB成立時の1,000円超(つまり10万円超)逸失を免れました。
今回のディスカウントTOBで思うこと
TOB価格の 2,670円は、急騰前の株価に対しては相応のプラス価格と言えます。
しかし、この時期にこの価格は妥当だったのでしょうか。
それとも、勝手に期待をした3,670円が不当だったのでしょうか。
もしTOBが不成立でも、戻り先価格は急騰前の水準で、新たな買い手を待つのか…。
なんにせよ、株価は人が決めるもの。
人が決めるのに、人に惑わされることがあるとは、市場は本当に悲喜交々です。