ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

インフラファンドの出口は価格次第なんだなと思った話

カバー

株と異なる値動きをすると言われる、リートおよびインフラファンド。

値動きだけではなく、株の配当にあたる分配金についても、株とは異なる観点で増減します。
このうち、自分も取得したインフラファンドについて考えてみます。
インフラファンドの保有をはじめたのは今年からなので、色々勉強中です。



 

収益の多寡について

インフラファンドの収益は、発電施設から得られた売電収益が主なものです。
FIT制度で電力の買取価格は保障されているので、売電量 = 収益量と捉えます。

一般企業が収益を上げるには競争に勝つ必要がありますが、インフラファンドにはFIT制度があることで、そういった市場原理から離れていられます。

業績が好調だったか、成長したかはあまり重視されず、稼働・売電の絶対量で静かに収益を上げる。
リートの賃料と似た収益構造です。
 

インフラファンドのタイムリミットと言われる事項

さて、そんなインフラファンドですが、FIT制度で保障された買取料金を転嫁するため、我々の電気代には「賦課金」が加算されたりします。
買取料金の保障は再生エネルギーの導入を促しましたが、軋みも出たということですね。

それで、インフラファンドへの投資には賞味期限があると言われることがあります。
調べると、以下の2つの終了予定のことを言っているようです。

  • FIT制度の終了

固定価格で買い取ってもらえる期間は20年と決まっています。

インフラファンドはいずれも2016年以降の上場で、まだ20年経過の施設がありません。
最も早いものでは2036年あたりから「卒FIT」する施設が出てきて、その施設からの売電価格は市場原理が働く中で定まるとみられます。

価格保障のある別の買取者を見つける話もあるようですが、いずれ現在の固定価格よりは安くなり、それは分配金にも反映されてゆくのでしょう。
競争力のある価格、企業努力、そんなものが求められる世界になりそうです。

2016年4月に施行された「租税特別措置法施行令等の一部を改正する政令(平成 28 年政令第 159 号)」では、インフラファンドの税務上の導管性(法人税を免除されること)が20年間とされました。
FIT制度と同じ期間ですね。
20年間が経過した後、どうなるのかの定めは今のところありません。

法人税を免除されるかどうかは、やはりインフラファンドの分配金額に関係します。
もし制度が継続されない場合は、法人税の分だけ分配金が下がり、利回り低下と見えてしまうのは避けられないと思われます。

確定申告で取り戻せるんだけど、
気分的に前と比較されるのは仕方ないっていうか。

必ずそうなる、という話ではないですが、期限が近くなれば情報が更新されるでしょう。
個々のファンドで買取状況がどうなってゆくのか、法人税はどうなるか、気になりますね。
 

出口を取る場合は、そのときの投資口価格が重要

では、FIT制度や法人税免除が終了しそうになったら、保有する投資口はどう考えるのが良いのか。

インフラファンドそれ自体や、発電施設の運用会社にとっては出口戦略の考えどころかもしれません。
でも、投資主にとっては結局のところ、保有か非保有かの選択に行き着きますね。

  • 売電からの安定分配を期待して、ひきつづき保有
  • 高い分配金が保有動機だったので、それが変わるのなら他へ乗り換える。

個人的には、どちらでもいいんじゃないかな、と感じています。
株式と違って注意するのは、売却時の投資口価格が重要という点でしょうか。

(注意したい点)
  • 株式と異なり、投資口価格は持続的に上がるとは限らない。
  • 市場が小さいので、時勢で価格が増減しやすい。

施設の売電量と売電価格がほぼすべてといえるインフラファンドにとって、拡大成長は難しいです。
現在の固定価格を超える値上げに成功する、とはあまり思えませんし。
新たな施設を取得するという拡大方法はあっても、ずっと取得し続けるわけにはいかないでしょうし。

考える女性


となると、トータルの損益を左右するのは運用期間と、出口の価格ということになります。
元本回収するまで保有すれば全然問題ないですが、FIT終了後の利回りということもあるので、ここでは元本回収以前の売却について考えてみます。

売却の場合、それまでの高い分配利回りを生かせるかは、買値付近で売却できるかを目安にします。
成長する株式のようにキャピタルゲインを取って終われる、という期待はあまりしません。
 

買値で売却できれば、運用期間中の分配金がそのまま合計運用利回りです。
逆に価格が下がり、たとえば損益分岐点のあたりで売らされたりすると、何年も運用したのに収支はゼロということに…。

実際は、発電施設が健在な限り収益が出るので極端な値下がりは考えにくいです。
でも、下がればそれだけトータルの利回りにはダメージなので、嬉しくありません…。
折角の高分配を生かし切るには、売却時価格が大事ですね。

あるいは、利回りが下がっても売却せず、安定資産としてまったりと分配金を受け続けるか。
とくにインフラファンドの場合は卒FITをにらみ、前々から価格動向に注意したいと感じました。