ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

配当はインフレし、株主優待は減価する

カバー

「預貯金はインフレに負けて減りますよ? だから皆さん投資しましょう」
という流れには異論ありません。
インフレが世の中の普通ならば、株価上昇も普通、増配もまた普通でなくてはおかしいからです。

しかし、投資をしても目減りする価値があったとしたら…?
もちろん、含み損とかそんな話ではありません。
目減りする可能性があるのはコレ。

株主優待記載例


今やインカムゲインのひとつとして堂々と特集される、株主優待です。




株主優待に「○○円相当」と書いてしまうのは減価のはじまり

今年の 2,000円と来年の 2,000円は違います…。
特に、配送コストや時給相場が月単位で値上がりするような昨今は、お中元などの夏ギフトにも価格高騰を実感します。

とはいえ、ギフト価格は普通に値上がりしますね。
しかし、株主優待は一度「2,000円相当」と開示すれば、簡単には変わりません。となると、次第次第に減価する 2,000円の価値にあわせて、内容を変えたり減らしたりが普通の対応となるでしょう。

ん?
それって預貯金の位置づけと同じでは…?

…そうかも。
優待の価格相当を宣言してしまうのは、インフレ時代には不利に働きますね。

もし配当ならば増額するのに、優待であるばかりに減価が避けられない。
このままだと、「株主優待は時代に追いつけない」と解釈されて、最悪はマイナス評価に転じるかもしれません。

株主優待の設計・表記は模索の時代に

企業としても、価格相当の記載は別に悪気はなかったと思うのですよね。
これまで、日本は約30年間もデフレが続き、マイナス成長、マイナス金利の世界に暮らしていたので、お金の価値は変わらない…むしろ上がるまでありました。

ある年に「2,000円」と書けば、それは何年も「2,000円」の価値を保ってほぼ同じ優待が実現できたし、誰もが特に違和感を持たなかったのです。

でも、今は情勢が異なってきました。
特に配送コストを要するモノ優待に関しては、企業投資家の双方で「実情に合わないな」と感じる機会が増えたり、アクティビストの攻撃対象になったりするでしょう。

そして、優待を継続するなら、「インフレ対応しているか」という新たな尺度が登場・浸透し、魅力度のマップも日々変化すると踏まえたほうが良さそうです。

  • 価格を明言せず、一定の製品・サービスなどを優待とする
  • 優待の「価格相当」を適宜改訂・開示する
  • 優待費用の実績を開示し、投資家の判断を助ける

今後、企業側でこういった動きが出来るかどうか…。
合計利回りだけではなく、減価しにくさという尺度で測れるかどうか。

特に、昔ながらで長く続いてきた「自社製品ではないカタログギフト」系は、なんらかの変化を迫られる時期が来るように思えます。

無理な優待、手前勝手な優待にはひきつづき注意の姿勢で投資したいですね。




にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ