気づけば、もはや年末ですね。
今年の株式市場が開いているのも、あとわずか。年末の歳時記ともいえる「損出し」も、いよいよ大詰めの締めの時期です。
いや、損出しできる売却益など無いわ!(怒) という御方も、ちょっとお待ちを。
もしJリートやインフラファンドなどの投資口をお持ちの場合は、ひそかに益が発生し、譲渡益税が引かれていると思いますよ~。
今更だけど「損出し」の話
損出しというのは、すでに株式等の売却益を受け取っている人が、あえて別のマイナス株を売却して「損」を出し、今年の税金を減らしてもらうという節税行動のひとつです。
もちろん、売却した株式は年内に買い戻します。
含み損を確定するなんてイヤダ! と感じる方も、ちょっとお待ちを。
含み損の株式を売却して再購入しても、手持ちの資産額は変わらないことを思い出しましょう。
確かに、売却により 5,000円の損失が確定しました。
しかしこれで、年間取引報告書における今年の「儲け」は減少し、損出しした分の譲渡益税が戻ってくるのです。
同じ株式を持ち続け、資産の時価も変わらないなら、含み損をただ置いておくよりも、割り切って税金の還付を受けたほうがお得ということです。
※ただし、NISA口座の資産からは損出しできないのでお気をつけください。
売却ゼロのガチホ派にも、譲渡益税が発生するJリートの不思議
Jリートなどの投資法人口を保有している方はお気づきかと思いますが、「分配金通知書」が2枚に分かれて届くことがあります。
所得税や住民税の欄がある、普通の計算書(右)。
それから、「利益超過分配金」と記載された計算書(左)。
左の「利益超過分配金」というのは、家賃などから得た利益の分配金ではなく、不動産の減価償却費として浮いたお金を投資主に返すというものです。
減価償却費というのは不思議な費用で、「お金が出ていかない費用」とでも言いましょうか。
ともかく、費用に計上されるんだけれども、その費用は実際はどこにも支払われず、投資法人の手元に残る。だから、それも分配しちゃいましょうということで投資主に返すと、それは「みなし譲渡」という扱いになり、売却益と同様に譲渡益税が引かれるのですね。
なので、配当だけを受け取って放置しているつもりでも、リートの保有量によっては、損出しで戻る税金が意外に貯まっているかも…です。
出せる損がある場合は、ちょっと見直してみるのも良いでしょう。
最高の悲鳴は「損出しできる含み損がない」
損出しのもうひとつの特徴は、「数字上の含み損がリセットされる」ということですね。
売却と買い戻しを行うことで、取得単価が変わり、含み損の表示金額が減ります。
ちょっとイイ気分になるかも(笑)
では、こうして毎年損出しを行い、毎年投資がうまくゆくと、最終的にはどうなるでしょうか。
そう…、「損出ししたくても、含み損がない」という素晴らしい状態になるのです。
うわー困ったなー!(棒)
まあ、そんな状況になってなお売却益を享受するならば、その人の投資生活は大変美味しいということになるので、鷹揚に納税するのが良いんじゃないかなと思います。
え?
自分はどうなんだって?
今は、旧NISA口座のJリートが並んで揃って含み損ですよ。ははは。
まあ、リート・インフラには値上がりを求めているわけではないので、来年の新NISAでもしばらくは買い続けるでしょう。
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