ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

東京都練馬区 牧野記念庭園と自宅書斎展示の温かな時間

牧野記念庭園

故人の家と庭が公費で維持されるというのは、よほどの理由があるのでしょう。
家屋に文化的な価値があったか、持ち主が長く記憶される人だったか。

牧野記念庭園の場合はきっと後者ですね。
東京のなかにそんな場所があるというので、ちょっと拝見しようかな。



自宅にもあった、牧野博士由来の本

牧野富太郎博士といえば、自分の印象はコレです。牧野植物図鑑。

牧野植物図鑑


これは古書ですが、今も別の装丁で改版が進んでいるとありました。
子供の頃の切手収集の、どんな花でもこの図版の中に見つかる気がしたんですね。

牧野記念庭園


この通り、全部絵入りなので収集欲もかきたてられます。

そんな膨大な図版の画家、じゃなかった、植物学研究者の庭園とご自宅の一部が無料で見学できると聞いて、ぶらりと行ってみました。

大がかりではないが、きちんと維持された庭園

牧野記念庭園は、牧野博士が1926年から晩年までを過ごした自宅と庭の跡地を公開した施設だそうです。
入口の石碑を越えると、きちんと区切られた敷居の中に色々な植物の寄せ植えがあって、それぞれ小さな名札が植わっています。

牧野記念庭園


単なる庭園とはちょっと違った雰囲気ですね。
毎日まわって、そこに屈んで、新たな発見を求めて観察する用、でしょうか。
戦前の跡地とは思えないほど、今でも生きた様子に維持されています。

さりげない展示…と思ったら、驚きの二度見

そんな庭園のなかには小さな展示室がありました。

https://www.city.nerima.tokyo.jp/kankomoyoshi/annai/fukei/makinokinenteien/kinenkan.images/jousetu.jpg
(この写真は練馬区のサイトより)


ふすまのようなボードに写真が飾られ、その周りには春の桜と思われる植物画の風流なあしらいが…

牧野記念庭園


…って、本物だよこれー!

牧野記念庭園


ふすまの上に、薄紙で標本が留められて作品になってるぅぅぅ。

本当に当時の物なのか、精緻に再現された何かなのか、もはや判別できませんが…。
この丁寧な業には「親愛」の目線が感じられます。
こんなふうに丁寧に保存するんだよ、と教えてくれているような。

博士が植物の姿を書き写したという筆は、針のような細さです。

牧野記念庭園


器用すぎる…。
スマホでパチリ、とは全く違う観察眼が必要だったことでしょう。

現代に蘇る戦前の書斎

更に進むと、撮影不可の企画展があり、その先には書斎の展示がありました。

牧野記念庭園


息づくような存在感がありますね。

牧野記念庭園


三畳間に五畳間がついた程度の広さに、人が埋もれるほどの古書や書写…。
なぜか椰子の実があるのは、当時の珍しいもの扱いでしょうか。

牧野記念庭園


実は、この部屋の様子は2022年から23年にかけて、寄付と有志の方々により「再現」された結果が展示されているのでした。

書斎そのものは当時の本物の自宅の一部ですが、当初はさっぱりと片付けられていたところに、もう一度存在感を蘇らせる試みがなされたのですね。
たくさんの人に大事に思われた博士が居たことを、しみじみ感じました。

さて。
研究に身を捧げ、望み叶った人生を全うしたであろう御方を身近に感じられたところで、もうすこし歩いて都立の石神井公園まで出かけてみましょうかね。

うひょー。 緑堪能!

石神井公園

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