日本取引所グループが年毎年公開する「投資部門別株式保有比率及び保有金額の推移」によれば、2023年の外国法人等の日本株保有比率は 31.8%です。
では、「保有」ではなく「売買」ならどうなのか?
という観点でもう少し探すと、毎週更新という鮮度のよい情報がありました。
財務省が公開する「対外および体内証券売買契約等の状況」というものです。
日本の売買と外国人の売買がザックリわかる
さきのページからは、直近週の一定期間だけをサクッと見ても良いですが、「時系列データ」という部分を見ると、国内と海外の長期売買額推移がダウンロードできます。
データは下記の3部門にわけて集計されています。
- 株式 ・投資ファンド持分
- 中長期債
- 短期債
この先はとりあえず、「株式・投資ファンド持分」について見ることにします。
すると…、
そこには、さきの保有比率とは全く異なる世界が開けているのでした。
保有比率は3割でも、取引規模はえらいこっちゃ
このデータは期間中の「売りと買い」の集計なので、保有比率とは違う観点になりますが、取引の規模感や、売り越し/買い越しといったザックリの状況がわかります。
どれ、2024年8月の歴史的暴落前後の状況でも見てみましょうか。
数字の羅列を簡単にグラフ化すると、こんな感じになりましたよ。
赤系が海外、青系が国内の売買額なんだけど…
規模が全然違うため、グラフが乖離しまくっています(汗)
で、合計に占める海外売買の割合はこうなんですわ。
9割じゃん…。
海外勢の物量、おそるべし。
この様子では、「日本の投資初心者が狼狽売り」云々など誤差程度の扱いに思えます。
やっぱり国外ってお金凄かったんだ…。
世界は広いんだな…。
それにしても、冒頭の年データでみた外国人株式保有比率が3割で、売買規模でみた外国人売買比率が9割ってことは、要するに保有よりも売買で儲けを出そうとしている、いや実際に出している… 投機しているってことなんですね。怪物規模で。いやはや、とてもつきあえませんって。
でも、この9割を越す(そしておそらくは個人比率の低い)非居住投資家が売り越したか、買い越したか、という動向をチェックするのは興味深いです。
あの8月5日週は日本人合計は売り越し、外国人合計は買い越しだったのか…とか。
へぇ~。
もしかして、本当に狼狽売りしちゃった?