老後のお金のひとつとして、公的年金の計算は欠かせません。
色々言われてはいますが、お金が貰える終身保険は滅多にないほど貴重なものです。長生きしすぎてお金が尽きても、身寄りがなくなったとしても、最後の命綱になってくれるのですから。とはいえ、その額については心許ないの一言です。
年金制度は変わり続けており、なかでもその支給が強く意識される50歳台にとっては下記が悩みではないでしょうか。
(1)50歳台あるある、学生時代の合算対象期間
年金を満額戴くには、現在は20歳から60歳までの40年間、年金を払い続ける必要があります。
60歳が見えてきて、さあ満了だ! と思った50歳台の方、ちょっとお待ちあれ。
20歳時点で学生だった場合、年金は支払っていたでしょうか?
現在でこそ年金は強制加入となっており、通知やら何やらで忘れることはないですが、平成3年(1991年)3月までは学生期間の年金が任意加入でした。
これより前の年に、何も意識せずに大学へ進学し、20歳を越えて就職した場合、20歳から就職までの期間は年金を納めていないことになりますね。
この期間は年金の「合算対象期間(厚労省PDF)」に含められるので、未納であっても受給資格を失うことはないですが、年金はその分減額されます。
勿体ない…!
残念ながら、この期間の年金を今から納めることはできません。
そうなると、65歳からの年金は以下の選択肢です。
- 満額ではない年金を受け入れる
- 60歳以降も年金に任意加入し、納付を続ける
- 再雇用などで厚生年金に加入する
たとえ、いまの勤労生活が辛かったとしても…、
少しでも年金を増やしたければ、60歳以降も年金を納め続ける収入か資産のどちらかが必要です。
60歳定年で勤労生活を終了し、65歳年金開始までの5年間を逃げ切る、という単純な図式にはならないのが悩みどころです。
困ったなぁ。目とか手先とか、既に身体のあちこちが働きづらいんだけど。
(2)年金納付期間が65歳まで延長される可能性
国民年金の制度改正が議論されています。
制度改正法案の提出予定時期は 2025年。厚生労働大臣の諮問機関である社会保障審議会年金部会は「国民年金の納付期間を45年にする」… つまり、65歳までを年金納付期間とする検討を行いました。
これが予定通り改正されると、60歳満了を控えた人にとっては「目の前の納付満了が逃げてゆく」結果となり、60歳以降の資金計画が変わってしまうことでしょう。
65歳までの年金納付を見込んだ資金でリタイア・セミリタイアするのか。
フルタイムで普通に働き続けるのか。
別の収入計画を得るのか。
老後資金を作るのには時間がかかります。あわよくば60歳定年で勤労生活からのリタイアを志していても、それをやむなく断念する選択肢が迫ってくるのですね。
資産運用をするにしても、リスクを取る期間を延長しないといけないかもしれません。
(3)重い心配、年金開始が逃げてゆく可能性
2023年現在、年金開始年齢は65歳です。
これは1994年の法改正で、段階的に60歳から65歳へ引き上げられてきました。
状況を考えると、更なる法改正による引き上げはあり得る話です。
納付期間が延長され、もし開始年齢も後倒しとなると、一番痛いのは50歳台、60歳台…。
「もう少し頑張れば年金」と思っていた時に、それが逃げてしまうのだからダメージが凄いです。
どんなに遅い年齢からでもいい。お金の準備は急務となる
つまり、考えれば考えるほど、公的年金だけに頼るのは危険なことです。
支払期間が延びるかもしれない。
開始年齢が遠ざかるかもしれない。
そのようなものを辛抱して待っていると、貰える前に資金や寿命が尽きかねませんね。
人生において、最後まで満足・感謝を忘れずいるには、どうしてもお金が必要なのです。
自分年金、副業、資産運用。
人には資質や能力というものがあるため、全てを実現できないこともあるでしょう。
でも、どれかひとつくらいは。
そう、資産運用くらいは、どんなに少しずつでも続けたいものです。
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