「美術館 + 広い公園 = 気分転換」いえーい。
その美術館が重要文化財の中にある静嘉堂文庫美術館、広い公園が本当に広大な皇居外苑だとしたらどうでしょう。美術館の招待券も戴いて、少ないお金でスーパー気分転換であります。
三菱総研の、最後かもしれない美術館招待券
今回使用したのは、三菱総研の隠れ優待と言われる「静嘉堂文庫美術館の招待券」です。
これは6月の株主関係封筒にそっと同封されており、有難く頂戴していましたが、来年からはこれが「施設共通招待券」という別物に変化するとされています。
この「施設」に静嘉堂文庫美術館が含まれるかは、今のところ不明ですね。
折角なので、招待券が使えるうちに、貴重な展示を見てきました。
- 特別展「眼福―大名家旧蔵、静嘉堂茶道具の粋」
(2024年9月10日 ~ 11月4日)
茶道具は「静嘉堂所蔵品の主要な柱」で、その数は約 1,400点に達するそうです。
何百年もの昔に使われた竹や木箱など、よほど大事にしないと今までは残りません。陶器ですら、そのほとんどは消えて土になってしまうのが時の力なので、展示の貴重さを噛みしめて昔を想像することにします。
持ち主全員に秘蔵された茶道具が凄い
展示場に入って真っ先に現れたのは、大阪城の焼け跡から砕けた状態で発見され、当時の漆繕いで修復されたという唐物茶入の「付藻茄子」でした。
まず、来歴がすごい。
茶道具が権力の象徴として奪われたり、被災したり、渡り歩いてきたことがわかります。
その姿はというと…。 あ。茄子だ。🍆
しかし、実物のその小ささといったら。
親指と人差し指で輪を作って、そこに囲めてしまうくらいなのです。こんな容器を焼き上げるだけでも目がしょぼしょぼするのに、これに抹茶を入れて、言葉を尽くして表現を飾り、こぼれそうな茶杓で静かに取り出していたのですね。
小さいといえば、この「蜜柑香合」と言われる江戸時代の香合もすごい。
思いっきり、小振りのみかんじゃん…。
そして、見れば見るほど小世界を感じます。
お香は茶の湯の作法のひとつとして焚かれ、それを保管する香合も茶道具に含まれるそうです。
静かな音に、良い香り。茶室の中は本当に非日常だったんだなぁ。
他の道具類も溜息物でしたが、ブログが長くなりすぎるのでこのへんで。
なんだかわからない、でも忘れられない記念品が目白押し
記念展の出口には大抵おみやげコーナーがあって、写真集や絵はがき、キーホルダー、ペナントなどの一般的な記念品が求められるのが通例です。
しかし、静嘉堂文庫美術館のおみやげセンスは一味違う。
今回の展示は、さきの写真の「付藻茄子」をキービジュアルとしており、記念品もその丸丸した姿が最大限に推されています。
その、付藻茄子がど真ん中にあしらわれたキャンディ缶とか。
「付藻茄子マスキングテープ」とか。使い所が謎です。
天下人の手中を渡り歩いて秘蔵され、数奇な運命を辿った茶道具が、突然のキャラづけで一気にユルくなったような…。「それでいいのか?」的な攻め具合が妙に刺さってしまいます。
これ、記念品コーナーを見るだけでも定期的に通いたくなるなぁ。
前回の展示でヒエエッとなった、国宝陶器の「曜変天目ぬいぐるみ」も継続中でしたよ。
謎すぎて気に入ったので、前回記事で紹介しています。
皇居外苑から坂下門へ。全部が広くて気分スッキリ
さて、美術館を出るとすぐに皇居外苑、日比谷公園、ちょっと歩けば東京駅前広場と、散策スポットがいっぱいです。
本日は開放感あふれる皇居外苑広場を歩き、坂下門まで行ってみました。
道は何処までも広く、芝生は綺麗で、ふんだんに置かれた噴水のまわりは休憩ベンチがたくさん。この広さは、ここが東京都ということを忘れてしまいます。
池には白鳥が降りていましたし。へぇぇ~。
ここから先は一般人立入禁止という坂下門も、曇り空の下では物々しさが薄らぎます。
でも、ちょっと振り返ると、敷地の外はギリギリまでビル街、ホテル街なので「あ、やっぱり東京だったわ」となるんですが…。この、見渡しぐるりの建物群にに全部人が入ることを想像すると、恐ろしい密度です。目の前の広い空間との対比がなんともいえません。
この日は暑さも後退していて、過ごしやすい気分転換となりました。
最後は東京駅をひと眺めして帰宅です。秋の曇り空も良いものですね。