ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

株主優待で静嘉堂文庫美術館へ。記念品コーナーには国宝茶碗の…えっ?

静嘉堂美術館所蔵品 曜変天目
世界に3碗しか現存しない南宋時代の茶碗、曜変天目
画像は 静嘉堂美術館のサイト より

お金を使わずノンビリ楽しむ日の定番は「公園」でした。
最近はそこに、「優待券でゆく美術館」が加わり、気分転換の効果もひとしおです。
美術館の近くには公園や緑地も多く、手出し無しでゆっくりと楽しめるのです。

そんなわけで優待券を活用し、貴重な展示品を見に行ってまいりました。
静嘉堂@丸の内 開館1周年記念特別展、「二つの頂―宋磁と清朝官窯」を堪能です。



三菱総研の3月優待は「静嘉堂文庫美術館」の無料招待券

今回お世話になったのは、三菱総合研究所(3636)の隠れ優待。
2023年現在は1株から戴くことができ、更に株主アンケートに答えるとオマケも届きます。
美術館の展示は季節で入れ替わるので、何度戴いても楽しめますね。

そんな静嘉堂文庫美術館は、建物自体が重要文化財であるところの「明治生命館」(1934年竣工)の中にしつらえられています。

明治生命館


ほえええ。外側に並ぶのはエンタシスの列柱だ~。
教科書にも載るギリシャ神殿様式の柱がこんな身近に、簡単に見られたんだな。

明治生命館


戦後GHQに接収されたという外観内装を眼前に体験しつつ、いざ美術館エリアへ。

静嘉堂文庫美術館


2023年秋の企画は、昔に栄えた中国陶磁の名品展示でした。
なかでも、「宋磁」と称えられる宋代(960~1279)の陶磁器と、清朝(1616~1912)の宮廷の窯で作られた、権力者のための磁器が中国陶磁の二つの頂点を為すのだとか。

細心の注意で作られながら、ちょっと落としただけで壊れてしまう陶磁器。
1千年以上前の宋代のそれが残っているなんて、とても貴重ですね。

4部屋のうち、1部屋だけ撮影可能

招待券を入場券に換えて中に入ると…、今も新しく感じる高天井の建物に4つの部屋があり、それぞれの時代別に展示が見られるようになっていました。

  • 1章 「唐物」への憧憬―日本伝世の宋磁
  • 2章 宋磁の時代
  • 3章 清朝官窯の精華
  • 4章 国宝 曜変「稲葉天目」のすべて

このうち、3章の「清朝官窯の精華」のみ撮影可だったので、記念にいくつか撮りました。
宮廷専用の窯は権力の象徴というだけあって、圧倒的な美術品ばかりです。

静嘉堂文庫美術館


しかし、精緻絢爛ばかりではなく、色の追求といった探求的なものも目を惹きました。

静嘉堂文庫美術館


陶磁器の理想の色は、「雨下天青 雲破れる処」と語られる雨上がりの空色なんだとか。
そんな天の色を写そうとした宋代の青磁の色合いは、現代の技術では作れないそうです。

写真は後世となる清代の窯で作られた、色合いの異なる2つの青磁。これらも「天青」を探していたのかもしれないですね。

色といえば、酸化アンチモンとかいう物質を釉薬に用いると、こんなレモンイエローが出るそうです。派手! というか見つけた人凄い!

静嘉堂文庫美術館


宋代の青磁を含む、撮影不可の部屋もとても興味深かったです。
陶磁器といえば壺やお皿のイメージでしたが、2章「宋磁の時代」で意外に多かったのが「枕」。

陶器の枕で寝るの!?

固そうですが、涼しいのかな…。
鹿や牡丹などのめでたい意匠が凝らされたカラフルな陶枕は、どれも首元のあたりがうっすら茶色くなっていて、使い込まれた実用品とわかりました。良い夢を願う気持ちは時代共通なのでしょう。

世界に3点だけの国宝「曜変天目」を推しすぎる記念品売場




撮影不可の4章は、一部屋を使ってたった一つのお椀を展示していました。
冒頭で画像をお借りした国宝、稲葉天目(旧稲葉家所蔵だった曜変天目)です。

元は徳川将軍家の所蔵というだけあって、碗を包む染織から漆に螺鈿の内箱、外箱、行李箱に至るまでが完全に揃っているため、それらをさながら「開封の儀」のように外側から辿っていって、最後に真打ちのお椀に拝謁できるという流れなのでした。

いやー、それにしても美しい…。

南宋時代の窯の中、黒釉茶碗に瑠璃色の星が現れるという不思議。
静嘉堂文庫美術館にあるのは、世界に3点という曜変天目のなかでも最も鮮やかな、奇跡の器とまで言われる美しい国宝なので、美術館としても自慢の品なのでしょう。

展示を堪能してお土産コーナーに入ると、中はとにかくお椀柄で一杯なのでした。
黒地に瑠璃光彩の星を再現したスカーフ、アロハシャツ、フィギュア(?)、入浴剤(??)…。
いや、それよりも入って一歩目がすでにコレなんです。

静嘉堂文庫美術館 曜変天目ぬいぐるみ


曜変天目ぬいぐるみ(驚)

国宝陶器であるところの曜変天目を、等寸のぬいぐるみで愛でる。
そ、その発想は無かったなあ。
ナデナデしたり、話しかけたり… する?

どうしよう。ちょっとアリかも。

商品の横にはこの表記なので、拡散希望の一推しってところですね。

静嘉堂文庫美術館 曜変天目ぬいぐるみ


現地に行けなくても大丈夫。公式の通信販売 で至れり尽くせりです。
調べたら、過去にも販売されて瞬殺状態だったようです。

美術館の、国宝の記念品…という既成概念の枠を破りすぎて、思わず笑っちゃうような意外性が良かったのかもしれません。そんな謎のラインナップには、他にも「曜変天目バスソルト」と前告知された入浴剤も。
名前が謎すぎて訳がわからなくて逆に欲しくなる(笑)

実際に販売開始された結果は、もうすこし普通のネーミングになっていました。

www.atpress.ne.jp

美術館を出るとすぐ皇居外苑日比谷公園

昔の陶器をたっぷり見て外に出ると、ほぼ真ん前といえる場所に広い緑地が開けており、皇居外苑日比谷公園に続きます。
楠木正成像、かっこいい。

楠木正成像


しかし外苑も日比谷公園も広大で、美術館帰りの足ではとても回りきれません。
今回は日比谷公園の小径にちょっとだけ誘われて、ノンビリ帰ることにしました。

日比谷公園


歩数もたっぷり。たまには、こんな日があっても良いですね。




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