ノギンの泡沫投資日記

50代、年間配当69万…。住居費からの自由までもう少し、働きながら頑張るブログ。

優待投資について、今感じていること

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株主優待キャピタルゲインインカムゲインに続く第3のリターンと言われます。
株主優待を得に重視すること、優待銘柄を揃えることなどを「優待投資」と言ったりします。

泡沫を自認する当ブログでも、2022年に戴いた優待金券(品物を除き、クオカードなど純粋に現金として使えるもの)の合計は 22,500円になりました。
けっこうきちんと消費しているので、年間所得が 22,500円増えたのと同じ効果です。

しかし、そこに要注意点は潜んでいないでしょうか?
今回はこの優待投資について最近感じたことをまとめてみました。



 

メリット…優待投資に特有の不公平を活用する

いきなり「不公平」で始まるのもどうかと思いますが、株主優待は実際不公平です。

配当ならば、500株の保有者は100株保有者の5倍のインカムが貰えますが、優待を加味するとそれが縮小することがあるからです。

(例:配当5円、優待2,000円の場合)

100株保有 500株保有
配当 5円 x 100 =500円 5円 x 500 = 2,500円(公平)
優待 2,000円 2,000円(不公平)
合計 2,500円 4,500円


上の例では、500株保有者は5倍の優待が戴ける、という公平な形になっていません。
結果、100株保有者の合計利回りが500株保有者の配当利回りと同じです。
500株保有者(優待を受け取れない外国在住を含む)にとっては面白くないでしょう。

優待投資は、この不公平を有効活用しようという姿勢ですね。

優待権利の最小単位である100株でインカム効率を最大化できるとすれば、その最小単位を積み上げることで結果的なインカムはより大きくなるだろう、という考え方です。

実際、優待無 1銘柄 x 500株の場合と、優待有 100株 x 5銘柄の場合を比べると差は大きいです。
そんなわけで、優待投資を重視すると日本株保有銘柄数は増えることになります。
 

要注意点…銘柄ごとのチェックが甘くなりがち

優待投資を極めてゆくと、その銘柄数は相当な数に行き着きます。
桐谷さんレベルの 1,000銘柄超はまた別格として、百以上、数百、はよくあることなのでしょう。

株主優待クラスタの常識は世間一般と違うからなぁ…。

しかし実際、そんな銘柄数は管理できるものでしょうか?
郵便爆弾が届く時期ともなれば、中身をきちんと見られるかも怪しいです。

気づいたら企業見通しが悪くなっていたとか、何かの契機となる開示や企業活動を見逃したとか。
あるいは、経営上の脆弱性があるのに見逃したまま取得してしまうとか。
そのくらいの自己リスクは込みで見ておかないと、優待投資は続けられない気がします。
 

要注意点…気づいたらインカムが成長していない、という罠も

本来、配当は企業成長とあわせてインフレしてゆくのが良い姿です。
また、株価は企業価値とあわせて含み益を増やしてゆくのが良い姿です。
そうでなければ、インカムの実質価値は緩やかに目減りしてゆくことになります。

インフレーションのイラスト


しかし、すべての上場企業が成長達成できるわけではないですね。

毎年同じ配当、同じ優待を戴くとした場合、その資産効果は累進配当銘柄に劣後します。
品物優待は別として、金券の場合はインフレにより実質価値が下がることにも注意が必要です。

更に、優待が好評すぎて業績が悪くても辞められない、という状況に長期間陥った場合、その多くは配当が抑えられるか、株価がだんだん下がってゆきました。

自分も、今年はこの理由でいくつかの銘柄を手放し、別の高分配に切り替えたことで ブログネタを失い 優待の楽しみが減ったのは寂しいことでした。
 

優待投資について、今感じていること

優待保有が減ったといっても、優待投資から距離を置いたのとは少し違います。

現在も優待のメリットを重視する点は変わりません。
しかし、同じくらいの重みで資産増加にも力をかけた結果、優待投資を極める方向には向かわないだろう、と感じているのが現状です。

それは現在50代という自分の年齢がそうさせているのかもしれません。
50代半ばで、今後の就業に不安があって、その時お金も多くない、という限界が見えており、それが資産増加へのマインドとなっています。

別の境遇であれば、優待を戴きながらゆっくりと回復を待ったり、優待投資そのものを趣味にしたり、そんなマインドも可能ですね。(昔の自分は前者のほうでした。)

大事なのは、優待投資にしろ積立投資にしろ、自分のマインドを常に意識しておくこと…。
優待投資はある意味尖った運用なので、振り返りも案外しやすいんじゃないかと感じました。