【オルツ】上場1年未満で民事再生法という不誠実

JIAの優待で「日本証券新聞」を読んでいたら、ちょっと前に IPO告知を見たばかりの企業が上場廃止というニュースがトップでした。
その理由が酷かった。循環取引による粉飾決算が発覚し、なんと上場時点の財務諸表までもが虚偽であったため、東証からの命令で上場廃止が決まってしまったのです。
www.jpx.co.jp上場時点からの粉飾など、もはや市場の入口にすら立ってはいかんレベルの無智です。それが審査に通ってしまったのだから、よほど徹底的に細工されていたのでしょう。投資家の失望はいかばかりでしょうか。
「新規上場時の宣誓書に違反」という廃止理由
オルツの上場は 2024年10月11日。上場廃止決定が翌年7月末なので、1年も経っていませんね。
各市場に上場する企業は、上場申請書類のひとつとして「新規上場申請に係る宣誓書」を提出することになっていて、その書式にはこのような文言があります。
それに対して、冒頭のJPXのリンクでは「新規上場申請に係る宣誓書において宣誓した事項について重大な違反」を認めて上場廃止理由としているため、この上場は相当罪深かったことがわかります。
ざっくり時系列
粉飾決算は、いつかは剥げ落ちる定め。
上場から半年後の2025年4月には疑惑が生じ、第三者委員会による調査が開始しました。この時点で株価は大きく下がります。
その3ヵ月後、7月28日に報告書が開示されて疑惑の詳細が明らかになります。
- 売上とされたものの多くは、実際には同社の拠出した資金が代理店等をぐるぐる回って戻ってきただけ(循環取引)
- 2021年~24年までの売上高の約8~9割が過大計上
そして2日後の7月30日、オルツは自ら民事再生手続きの開始を申請します。負債額は約24億円とのこと。
同日、東証は東証で、この粉飾結果に対して上場廃止を命じています。廃止日は8月31日、IPOから約10ヵ月という短い(しかし投資家にとっては長い)上場でした。
「誠実性」という経営者の大事な要件
結局、同社の提供するサービスは、言うほどエンドユーザーには届かず、言うほど社会に貢献していませんでした。
それでも、売上金額が出来れば良い。
資金が調達できれば良い。
ステークホルダーを欺いても良い。
「誠実性が欠けている」とは、こういう企業の経営者を指して言うのでしょう。
今回の事案に、「もし自分が投資していたら」と思うと恐ろしいです。
もし社員だったら、身内だったら、頭を抱えてしまいそう…。
もし、誰かのはじめての投資先がこんな事になったら、証券取引所そのものに対する信頼を失うかもしれません。
じゃあ、身辺調査をもっと厳しくすれば解決かというと、そうでもない気がするのです。
本気の詐欺は、一度は成功してしまう。
本気の強盗には、どんな家でも侵入されてしまう。
そんなリスクが証券取引所にもあることを、意識せざるをえなくなった出来事でした。
「法人の誠実性を見極める」ことは、なんと難しいのでしょうか。
