「公開買付」という単語を見ると、条件反射で「上場廃止」までを連想してしまう今日この頃。
なので、不動産業のヒューリックが、インフラファンドの時価総額第1位を公開買付、と知った瞬間は「まじか! ギャー!」と目を疑いましたが…
だ、大丈夫でした。セーフです。
吸収もなく、合併もなく、上場廃止もありません。
良かった(汗)
どうやら、インフラファンドの運用益をしっかり取ろうとしたら、買いづらいほどの規模になったので公開買付の枠組みを使おう、ということのようです。
公開買付の目的は「投資」
開示のなかで、ヒューリックは「経営権を取るつもりはない」「重要提案や役員の選任など、運用に影響を及ぼす意図はない」と繰り返し表明しています。
要は、運用利回りが美味しそうなので買っときます!
…ってことですよね~。
で、単に市場で買うと、参加者の少ないインフラファンド市場ではすぐに価格がおかしくなって、美味しさも減ってしまいます。そこで、価格を事前に宣言できる公開買付の出番だぞ、と。
勿論、カナディアン・ソーラーの上場は普通に維持。
経営に参画しないという意図をはっきりさせるためにも、ヒューリックが公開買付で取得するのは総投資口数の20%(最大約 85,800口)にとどめるようです。
自分を含む現投資主にとっては、少なからずホッとする出来事ではないでしょうか。
インフラファンドは利回りが凄い反面、要するに甚だしく値下がりしているので、含み損のまま上場廃止という幕引きだけは避けたいところでした。
価格零落が激しいインフラファンド、投資利回りは軒並み6%超
インフラファンドと言われる投資法人は「東証インフラファンド市場」に上場しています。
収益の構造はREITと似た「投資法人型スキーム」。REITが不動産の家賃収入を分配するのに対し、インフラファンドは再生エネルギー発電施設(主に太陽光発電)の売電収入を分配するのですね。
電力インフラには国策も働くため、安定した分配金が見込めます。
ちなみに、カナディアン・ソーラーの直近の投資口価格、81,600円で計算した分配金利回りは 6.4%。税引き後でこれなので、NISAだと 8.0% になるわけです。いや、どういうことだってばよ…。
NISAで7%を超える高利回りはカナディアン・ソーラーだけではなく、インフラファンドは軒並みこんな調子です。といっても、上場法人は5つしかないのですが💦
当初はもっと多くの法人があったけれど、これまでに何度ものTOBでひとつ、またひとつと非公開化されてゆき、そのたびに法人数が減った経緯があります。
運用が完成された売電インフラは、いわば収益装置…。
設備や税制にはタイムリミットがあるとはいえ、所有への誘惑が強い領域なのでしょう。
まあ、5法人の市場が4法人にならずにすんで良かったです。
今回投資の対象となったカナディアン・ソーラーは、東証インフラ市場の時価総額でダントツの第1位。擁する施設数は多く、規模も大きく、その性質からして ESG投資先であるのも明らかです。
あとは、この投資が長続きしてほしいですね~。
ヒューリック様、買い支えをヨロシクお願いします。
そして、できればインフラファンド全体が見直されてくれないかな。


