バロックジャパンリミテッド(3548)は、若い女性向け中心の衣料・服飾製造&輸出入・販売企業。「MOUSSY」など多数のブランドを持っています。
「服」は着て心地よいものであると同時に、自己表現のツールでもあります。コロナが明けたら次はインフレと、業界には優しくない状況が続きますが、そんななかでも優待が拡充されましたね。
500株以上の株主を手厚く優待
優待拡充の開示は5月22日。
拡充内容は、開示内の表がわかりやすかったのでそのまま載せてみます。
表内の優待金額は、オンラインサイトでの購入時に金券として使えます。500株以上に対象を絞ったことで、無闇にならない拡充感が出ました。
www.ec-store.net拡充のフキダシがついたのは、500株以上の区分ですね。
- 500株未満は、今まで通り
- 500株以上は、金額拡充+長期優待追加
- 1,000株以上は、区分新設により更に拡充
開示後の5月23日終値(785円)で計算すると、こんな感じになります。
保有株式数 | 配当利回り | 優待合計利回り |
---|---|---|
500株(3年未満) | 3.9% | 6.9% |
500株(3年以上) | 3.9% | 10.0% |
1,000株(3年未満) | 3.9% | 6.4% |
1,000株(3年以上) | 3.9% | 10.5% |
配当だけでも良い利回りです。そこに年2回の優待が乗って旬の服が買えてゆくと、随分楽しい生活が訪れそうですよ。
と、ここまでで終われば「利回りの良い話」となるのですが。
内情はきっと、身につまされる我慢の日々では…。
バロックジャパンの配当38円は、株主還元を何より重要視する姿勢の現れです。
下図は昨年にブログした配当性向ですが、普通に100%を超過して身を切っていますね。絶対配当減らさないマンです。

なぜ昨年の図をそのまま使ったかというと、直近の2025年は遂に1株純利益(EPS)がマイナスになり、配当性向が算出できなかったからです…。
い、息苦しい…。
自分は転職前も転職後も、企業内の間接部門…特にITやネットワークの維持改善で雇われているので、総務や人事にもまあまあ近く、このような年が続いた場合の間接費用にどんな閉塞感があるか、つい想像してしまって身につまされることこの上ないです。
現業やお客様体験への投資は止められない。配当という名の信用料も支払う。利益確保の圧力は当然として、バックヤードは去年も、今年も、来年も、キリキリキリッと締め上げて毎年削減を命じているんじゃないかな。
お金が出せず、様々なリスクや障害に怯える日々… つらい。
いや、バロックのインフラ事情なんて知りませんけど。
現業部門がイキイキしてるならいいじゃないかって話ですけど。
勝手な想像やいらない共感は同社にも迷惑でしょうが、やっぱり自分も投資家であると同時に被用者なんですね。あるときはモノ言ってない株主として後ろめたく、またあるときは被用者側の同士気分を勝手にエスパーしたりと、複雑な感情が行ったり来たりします…。
どうやら自分の場合は、「株主還元の度合が心地よいか」という、なんとも測りがたい心証がしばしば投資に影響してしまうようです。


