悪い風邪からのお仕事多忙で、しばらくネットダウンしている間に、多数の決算が流れてゆきました。ざっと見たところ、持株は概ね増配傾向で有難い限りです。
個人的には、決算を凌ぐ勢いで株価を変動させた優待ニュースの多さも印象に残りましたが…。
風物詩になるのか、優待改廃に伴う極端な株価変動
優待の開示をまとめ読みするには、たとえばこんなページに「優待」というキーワードを入れると一括表示されます。
www.nikkei.com決算が集中した5月12日から16日までの1週間に出された優待開示は51件(訂正による重複を除く)で、1日あたり平均10社が優待がらみの開示をしたことになりますね~。いやぁ凄い。
そして、1週間の内訳はこんな感じでした。
- 新規導入 … 13社
- 廃止 … 6社
- その他 … 32社
多いだけではなく、株価への影響もえらいこっちゃです。
特に変動が大きかったものを見てみるとこんな感じに。
上昇の部
優待導入を開示した13社のうち、3社はストップ高。
何というか、利回りの感覚が何かバグりますね。
コード | 企業名 | 年間優待内容 | 株価変動 |
---|---|---|---|
4444 | インフォネット | QUOカード 13,000 | 翌日ストップ高 |
7044 | ピアラ | デジタルギフト 36,000 | 翌日ストップ高 |
7091 | リビングプラット フォーム |
(記念優待) デジタルギフト 5,000 |
当日ストップ高 |
下落の部
優待廃止の6社からもストップ安・大幅安が出現しました。
コード | 企業名 | 年間優待内容 | 株価変動 |
---|---|---|---|
7047 | ポート | QUOカード 10,000 廃止 | 大幅安 |
9612 | ラックランド | 名産品 7,000 廃止 | 大幅安 |
9994 | やまや | 商品券 6,000 廃止 | 一時ストップ安 |
優待の改廃は決算と同時に出ることが多いため、決算短信が多ければ優待のニュースも多い、ということになりますが、こと優待廃止で売られた銘柄に関しては「優待が今までの株価を作っていた」と言われても仕方がないのでしょう。
株価が下がらなかったケースとしては、オイシックス・ラ・大地(3182)は優待廃止と引換に「無配→16円配当」の還元を開示して、翌日の終値は逆に上昇しました。配当へシフトする還元方針が受け入れられたとみられます。
一方では、大幅安のポートも同様の配当強化の筈ですが、こちらは廃止前の優待が高額QUOカードであり、しかも導入後すぐに廃止しているので💧 株価が歪んだ上での失望売りとみられます。
高額金券・デジタルギフト優待は持続性がネック
配当も、優待も、どちらも株主還元ですね。
なので、ぶっちゃけ配当は良くて優待は悪い、のような考え方には固執してません。
ただ、無理なく持続的に戴きたいとは思います。
長期投資を志す株主なら、還元策には持続性や一貫性が備わってほしいと思うもの。
そういう期待値で優待を捉えるとき、「デジタルギフト○万円」のような大型金券に感じるのは、持続性ではなくて戦略性です。
要するに、いっときの宣伝活動的な…。例えば「株価を上げる」とか、「人気化させる」とか「創業者が高く売りたい」とかの目的があって、装置として武器として(簡単に)株主優待を使います、という話にしか思われないんですよね~。
費用を使うなら違うところにしてよ…。
とか思いません?
株主優待はやっぱり、こんな感じがいいと思うのです。
- 巡り巡って企業に還ってくる内容
(自社製品・サービスなど双方向性のあるもの) - 本業にゆかりある内容
- 持続的に実現できる範囲の内容
今後も高額優待は増えるでしょうが、そこで踊ると投資姿勢が変になりそうです。


