これまで、「○○株式会社」が「○○ホールディングス」になる、という組織変更はわりと見かけました。これが起こると証券コードが変わることが多く、記憶に残りやすいのです。
でも、上場したまま「ホールディングスをやめて事業会社に戻ります」という逆パターンは、そういえばあまり聞かない気がするなぁ。
と、意外に思ったのがDM三井製糖HDの開示でした。
「DM三井製糖HD」からの4年後、「DM三井製糖」へ変身
砂糖という必須調味料を精製し、配当も優待も継続している老舗企業。
そんなDM三井製糖HDのホールディングス(持株会社)化は割と最近でした。
まず2021年、「三井製糖」「大日本明治製糖」の経営統合先としてホールディングスが始動します。
翌2022年、大日本明治製糖はホールディングスの下に発足した「DM三井製糖」に合併されます。
そして今年の2025年、今度はホールディングスの方が「DM三井製糖」を併呑したうえで、ホールディングスを解除して単一の事業会社に戻る流れをたどるようです。
文章が簡潔だったので直近の開示を引用しましたが、この流れは昨年5月には定まっていたのですね。持株会社から事業会社への変遷は、単に「持株会社体制をやめる」というものではなく、複数会社統合に至る長い流れの一部だったのか… と、やっと理解しました。
DM三井製糖HDのサイトで「沿革」を表示すると、このあたりが図解でまとまっています。(図は2024年までの状況と思われます)
一応リンクをつけましたが、DM三井製糖HDは商号変更されるので、このページはそのうち「DM三井製糖株式会社」のものに変わるか、移動するかしそうですね…。
こういうのを見ると、ホンダと日産の最近の話なども思い出されます。
企業統合を伴う組織変更って、深いなぁ。
それでも珍しい「持株会社体制の解除」
今回のDM三井製糖のように、持株会社が解消されて事業会社へ変身する例は、逆パターンに比べるとやはり珍しいように思えます。
プライム上場内だと、直近の5年間では1例だけ、かな…?(足りなかったらすみません)
2020年 | 豆蔵ホールディングス(MBOで上場廃止) |
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この豆蔵ホールディングスは、持株会社の解消後に上場廃止となりました。
その後、2024年に新体制の「豆蔵デジタルホールディングス」という持株会社で再上場しましたが、これは事業会社で存続を続けるDM三井製糖とは違う流れですね。
そう思うと、今後のDM三井製糖も見守りたくなってきました。
頑張れ、お砂糖。


