あまりの変化予定に震えています。アホ社員の自分がこんなことを決めてしまうなんて…。
何をやっているんだ?
いや、定年3年前という崖っぷちの年齢だから、逆にできた選択でもあるけれど。
自分に何が起きたのか、どうして正社員を辞めるのか書いてみます。
「君を引き抜きたいけど、正社員にはできないんだ」
いきなりこんな電話が来たら、どう感じるでしょうか。
世の中には「リファラル採用」なるカテゴリーがあって、そこでは求人も応募もない採用活動が行われる。 と、知っていましたが、自分にはカンケーない話と思っていました。
いや、実際カンケーなかったわけですが。
そこにあったのは、もはや「採用」ですら無い、発注書に基づいて期間契約してくれという謎の提案なのでした。
しかし、話を聞くとその人の真意がわかってきたのです。
あなたの年齢では、再雇用者と同じ待遇しか準備できない。
それよりも、個人事業主となって外注相場の契約をしてみないか。
そう言っていたのでした。
経験上、ある筋の協力会社や外注と言われる人達が、どのくらいの相場で雇われているかはわかります。アホ社員の給与額面よりも高い額です。
そのかわり、その契約には将来の保証がない。健康管理もない。
なおかつ、個人事業主でもない限り、契約金は所属会社に中抜きされる。
個人事業主でもない限り…。
心療内科の既往歴が何度もあるようなお粗末脳の持ち主が、個人事業主?
「個人事業主に必要なスキル」と検索して出てくるようなキラキラ能力なんて、ひとつも…ぐぅ…。
そうと知っているから、転職活動などしなかったのに。
…だからこれは、「賃金保障か日銭か」という交換条件の話ではなくて、生き方暮らし方の話として、真摯に考えて回答しなくてはと感じたのですね。
実際にその時、自分の価値観は組み変わっていました。
いま、Aという仕事が好きで得意だけれど、それ以外のBCDEが8割以上を占める(そしてそれらは好きでないし下手)という現職。 あと4年だから、3年だから、と言い聞かせて、心療内科の薬も飲んで、黙って埋まるつもりでお給料を戴いていましたが…。
もし、Aを10割というのが契約なら、薬いらない。(多分)
そういう目で、人生で初めて個人事業主の費用計画や納税内容を調べてみると、それがカスタマイズ性の高いものということがわかってきました。
ネックとなる不安定さについても、今回の話に限っては、ある程度の属人性を獲得して長期化される確率が高そうです。あくまで確率だけど。
考えても、良かったんだ。
実は元々、定年後に同じ職場での再雇用は選ばないつもりでした。
だから、新たにリスクとなるのは定年までの数年間なのです。最悪はつまり、「予定より数年早く無職になりました」っていうだけだよね?
うん。その分のお金なら貯金を使える。
もう無職でもいい。
無職になるまでの間、Aを10割だったら仕事がきつくてもいい。
…と、覚悟を決めるまでに何やかやで2ヵ月以上かかりましたが、そんなふうにして年末の退職と、新体制への移行準備は始まったのでした。
退職で失うものと、代わりに得るもの
■失うのは保証と安定、労働者保護
お金と健康の不安を考えると、この年齢で会社員を辞めてしまうのは馬鹿げたことです。
デメリットを挙げるだけでも、「考え直せ」と止められそうですよ。
退職金 | 自己都合により減額 |
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厚生年金 | 早期退職により減額 |
健康保険 | 人間ドック、予防接種などの恩恵を喪失 及び、個人負担額の倍増 |
安定収入 | 数ヶ月ごとに雇い止めの不安 |
経費 | 交通費や消耗品代が自腹になる |
デメリットというか、将来の見込み収入を失う、と表現するほうが正しいのかな。正直、上の3つは検討の瞬間にザッと頭をよぎって相当な迷いを生じました。
とくに退職金。世に聞く金額には遠く及ばず、規程があるだけ有難いレベルとはいえ、あと3年待てばよかったものが減額されるとライフプランに響きますね。
条件をお金で比べようとすると、これらの逸失金額や雇い止めリスクを凌駕するほどの契約金を追求する話になりますが、さすがにそれは程度問題ってもんで💦
■得るのは学びと自己決定
ひとつの契約に依存するという点では、正社員と今回の話は似通っています。
その場合の個人契約について、契約金以外の条件は酷いものに思えます。
まず、労働者保護の概念がない。有休もない。
失敗しても庇って貰えない。言い訳も拒否権もない。
そこには契約があるだけ…。
だから、それ以外の抽象的な評価軸をどこまで重視するかがポイントでしょうか。
学び | 不断の勉強が契約金の源泉になる |
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自己決定 | いつでも契約を終了できるし、 何歳まででも続けられる |
集中 | 人事考課や社内力学とは距離を置ける |
厚生年金や定年制度がないかわりに、長く働くか多く貰うかして iDeCoやNISAを頑張れ、というのが最良シナリオになるわけですね。
ああ、あとはこれも大事でした。
年金開始までの間、貧乏でも暮らせるレベルを準備しておかないと。
お金 | 失職後の生活を想像でき、納得できること |
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ものすごく上手くゆけば、60歳を過ぎても有利な収入があって、iDeCoが続けられて、厚生年金の減額がカバーされて資産も増額…なんてことになりますが、実現できるかは完全に自己責任です。今まで通りのアホ社員よろしく、不勉強で死んで過ごしたりするのはもう駄目でしょうね。
ゆるい暮らしが遠のいたかもしれないけど…。
老眼も、足腰も、記憶力も辛いけど…。
なんか面白そうだから、もうちょっと頑張ってみようかなぁ。
たとえ、1年後に失職しても…
今回は一大決心をして、来年以降の身のふりかたを変えてみました。
しかし新しい仕事先で、自分の仕事や振る舞いがまずければ、失職します。
特に今回のように、人脈で決まった契約は、組織改編で崩れることもあるでしょう。
新しい関係者がパワハラの人になるなど、悪運に見舞われるかもしれない。
あとは、個人事業主という生き方に無知すぎて酷く失敗するとか。
でも、多分だけど、力至らず早期に失職してしまっても。
この決心は良かった、という今の気持ちは消えない気がします。
定年間近の今でよかった。
「いやぁ、まいったな~無職だわトホホ」とか何とか言いながら、貯金を食べて、資産運用を頼り、節約ネタを探せる自分でいたいな。
きっと、そういうのがFIマインドにつながる暮らし方なのでしょう。