少額から分散投資が出来て、配当も戴ける米国ETF。
多くの米国株は年4回の配当があり、ETFも同様に配当が戴けます。
配当と共に期待されるのが長期の値上がりによる資産形成効果で、これはあちこちで言われるところです。毎月○万円を入れたら○年後にはこうなる、という試算はもはや定番コンテンツとなりました。
しかし、ブログ主は現在50代半ば。
定年を控えており、20年、30年の長期運用がかないません。
属性もそこそこ残念につき、投資可能額にはおのずと限度があります。
そうなると、漫然と少額ずつを買っていては、取り崩し期が来たときに「あれっ…」という結果になったりします。もちろんそれで予定通りということもありますが、予定通りと思えるかどうかは事前の目算があっての話ですね。
積みあげる時期から、崩す時期へ
収入がある間は、暴落にも耐えて規則的に積み立てていることでしょう。
将来のリターンを作っている、殖やしているという実感がモチベーションとなります。
取り崩し期は、その積立の山を掘るように、やはり規則的に換金してゆきます。
規則的な積立と、規則的な取り崩し。マインドが大分違うはずです。
定年が見えてきた段階で一念発起して、「じゃあ積み立てよう」となったとき、残された時間の積み立て分からはどのくらいの換金が可能なのでしょうか?
米国ETFを取り崩すということ
米国ETFを取り崩すには、まず売却。手数料と税金が引かれます。
そして日本で使うには、それを円に両替します。手数料が引かれます。
更に、両替後の日本円の額は為替の影響を受けます。
読めない為替、そして、積み上げた資産を目減りした形でしか使えないという事実は老後のメンタルに堪えると思うので、忘れないようにしたいです。
それでも、日本株よりは成長してくれるだろう。
米国株にはそういう期待値が高いから、わざわざ外貨を購入してまで資産形成に使われているのです。
(ここ数年はヒドイというのを知りつつも、あえてそう考えています)
欲しい額から逆算してもいいが、無理は禁物
ご時勢を考えて、ちょっと保守的に計算してみます。
50歳からETFで月2万円、税引後配当 2.5%の複利積立をしたら、65歳で約430万円の山ができます。仮に、29,000ドルとします。(退職金は人によるため、ここでは含んでいません)
これを運用しながら、90歳までの期間で取り崩すと、月あたり税引後売却で約 104ドルの年金です。
これを円貨に両替すると、15,000円くらいにはなるでしょうか。
円高ならばもっと減ります。
そんな額じゃ足りないぞ! と言っても、元を増やしたければ積立額を増やすしかありません。
「資産運用はボリュームが命」というのを実感しますね。
積立を5万円まで頑張れるとしたら、15年後にできる山は 1,076万円になります。
しかし、それは本当に可能なのか。特に60歳から65歳までの5年間。
そのあたりは自身の属性や能力、投資歴との兼ね合いになります。
お金の量や使い方はとても属人的なので、現実的な見通しを立てて受け入れるのが良いでしょう。
多い少ないよりも、見通しと計画を大事にする
ここでもし、退職金が多かったり、ETF以外の資産があれば、そのぶん楽になれます。
いずれにしても、投資効率はボリュームが王様なのですね。
ボリュームに不安があればあるほど、その少額をただ積むのではなく、取り崩し期の実現額を見通して計画を立てるのが大事と感じます。
(おまけ)投信に替える選択肢も吉
ここからはおまけです。
今回は米国ETFを想定しましたが、ETFはその配当金に税金がかかってきます。
ただでさえ取り崩しの度に税金が引かれるのだから、運用中の税金は最小化したいもの。
それに、取り崩し期間中に暴落が起きるリスクは常時あり、その影響も最小化したい。
だから取り崩しのXデーが近づいたら、投資信託に替えてゆくのも良い備えに思えます。
そのときは暴落リスクの低い債券型とか、全世界とかのマイルドなやつにします。
そうすると、資産の激減が抑えられるかわりに利回りも下がるため、月々の受取額はもっと減るかもしれません。しかし老後はマインドを変えて、あえて利回りの優先度を下げるのも「あり」と思えます。
何十年もの現役生活を脱ぎ捨て、できた分だけのお金を持って取り崩しの生活へ移る。
まだその時を迎えるわけにはゆかないですが、心の準備を始めています。
できれば、投資以外の人生部分に注力したい。