「過去、米国ではインフレ対策としての大幅利上げが何度かあった。
段階的な利上げのそれぞれで、直後は下落があったが、その後株価は上昇している。
逆に利上げが足りなかった局面では低迷した。」
…先週か先々週かの日経CNBCで、そんなことが言われていました。
有料会員でなくてもSBIの市況オンラインセミナーで部分的に見られる、「コメンテーター解説」です。
耳コピーなのであまり正確でなく、もう一度聞いてメモを取ろうと思ったらもう翌週の内容に変わってしまっていたので、自分の記憶に基づく印象ですが…。
インフレを退治しきる前でも株価が上がるって本当?
動画は米国株の話でしたが、気になったのは「利上げの途中でも株価が上がる」という点でした。
1年なりの期間をかけて利上げしてゆくのなら、その期間はだんだん経済が冷えてきて、成長も鈍化して、株価が下がる。自分はそう思っていたのですが、昔の米国株価はそうではなかったと。
そのココロは、「この利上げでインフレが退治できる」という期待値が消費者に受け入れられることで、需要が落ちず企業収益も保たれたのだとか。
動画では何らかの指標が出ていたと思いますが、忘れました…。
結論としては、利上げはインフレの押さえ込みが見えるという事実は勿論、利上げ中の十分な説明と対話がもっと大事であり、過去の米国における成功例では株価がジリジリ上がったことを踏まえて見守りましょう、ここから買ってゆくのもいいでしょう、というような内容に思えました。
コストプッシュ型のインフレはもう少し警戒してもいい気が
ただ、今般のインフレで過去の歴史が再現されるかというと、どうかな? とは感じました。
エネルギーや食料品のコストが否応なく上がったことによる物価高。
加えて、コロナ禍の給付金以降で働かなくなった人(FIRE?)が増えて賃金増にもなっていることは、何やらいびつな労働力構造を感じさせます。
リタイア族を支える人的資本が足りなくなったりはしないのでしょうか。
ちょうどFOMCが終わって買い戻しムードが漂っていますが、個人的にはあまり楽観に乗っておらず「そうですか、まあ時間分散を続けます」という感じです。
日本でも投資はしたほうがよい
自分は65歳まで働くグループ…つまり人的資本の側に避けがたく属するので、何かしら働き口を探すわけですが、その賃金や年金には大きな減価不安がつきまといます。
日本のインフレ率が高くないとしても、どのみち物価は上がり、お金は減価します。
労働者の立場であっても、投資によってその対策はしたいところです。
以前は、投資 = リスクを取る、のように考えられることが多かったです。
でも今は、投資 = お金の価値を守る、でもありますね。
きちんと稼いでいる企業に株主として参加すると、冴えない自分の一馬力に加えて配当金という別の馬力が自分を助けてくれます。インフレで減ってしまうお金の価値を、配当金が守ってくれると言えます。
これは、やらないわけにはいかんことです。