「投資魅力」と聞くと、どんな内容を想像するでしょうか。
自分は成長拡大が見込めるとか、安定配当とか高配当とか、そんなことを想像します。
キャピタルゲインとインカムゲインですね。
では、「株主優待」はどうでしょうか。
インカムゲイン?
それとも、インカムゲインの阻害要因?
最近、ここのところが自分のなかでパッとしないポイントです。
最近、株主優待を新設した会社の優待
優待を廃止する会社も多数なら、新設する会社もまあまあ多数。
優待が知名度を高めるのは間違いないので、中にはキャンペーン的な訴求もあるのでしょう。
2022年3月から6月8日までのの約3か月間で株主優待を新設した会社は11社あります。
その際、開示情報に「投資魅力を高めるため」と記したかどうかをマークしてみると…。
コード | 名称 | 優待内容 | 「投資魅力」 への言及 |
---|---|---|---|
7129 | ミアヘルサHD | クオカード | 〇 |
6405 | 鈴茂器工 | ジェフグルメカード | - |
4936 | アクシージア | 自社製品 | 〇 |
2311 | エプコ | 太陽光発電システム(抽選式) | ー |
7504 | 高速 | クオカード or カタログ | 〇 |
3528 | ミライノベート | 投資額1%キャッシュバック | 〇 |
7384 | プロクレアHD | カタログ | 〇 |
6218 | エンシュウ | 地元特産品 | 〇 |
9251 | AB&Company | オンラインストア優待券 | 〇 |
5971 | 共和工業所 | QUOカードPay | 〇 | 8462 | フューチャーベンチャー キャピタル |
カタログ | 〇 |
ほとんどの会社が「投資魅力」に言及していました。
この短い期間の列挙でも、「魅力」の訴求が様々であると感じます。
今や広く行われる金券送付から、自社商品への呼び込み、自社本業そのものの供与まで。
ひときわ異例な 2311 は、いったんは公平性の観点からプレミアム優待倶楽部を廃止。
その後、「三方よしの株主優待」を目指す、として独自の優待を新設しました。
これを更なる射幸とみるか、販促とみるか、企業メッセージとみるかはもっと会社を知らないとわかりませんが、メッセージだとしたら「賛同や共感」を投資魅力として提供していることになります。
とはいえ、受け取る側が射幸と認識してしまうと「もっと当たりやすく」等の変な要望が出そうですが。
この色々な状況は、投資家が想像する「投資魅力」と、会社が想像する「投資魅力」をマッチングしようとする試みにはみえないでしょうか。
投資魅力が高まったかどうかは「人による」
「投資魅力」の言葉だけで何かに分類しようとすると、ブログの冒頭のようにモヤモヤしてしまいます。
株主優待が語る「投資魅力」に単純な物差しは無くて、ある者には魅力だけれども別の者にはそうではない、というだけのことのように思えてきました。
ある投資家が金券に感応すれば、その層に訴求する優待が増える。
ある投資家が企業メッセージに感応すれば、その層を強く囲い込むような優待が増える可能性もある。
逆に、いま一部で囁かれるように「優待が投資家利益を損なう」という見方が広まれば、優待から配当への流れが加速する可能性だってありそうです。
(現実には、二極化が加速するような気もします…。)
優待実施会社と投資家が、相互に影響しながら「投資魅力」を模索しているのですね。
実際、株主優待のアンケートを実施する会社は少なくありません。
すごく傲慢な見方をするなら、投資家たちが優待のありようを間接的に決めていると言えます。
つまり、清き1票と思って投資しようかな
ある優待が投資魅力を高めたかどうかは、投資家たちが教えてくれること。
そのうえで優待をどうするかは、会社が決めること。
自分はこの頃、優待は会社のなすがままにしよう、と思うようになってきました。
期間限定のキャンペーンに乗ってもよいし、一歩引いてもよいですね。
今後の取得は優待有無も含めて会社をよく見ることが、投資魅力に関する自己表現になればいいかな。
選挙の一票みたいに。
関連記事です。株主優待は以前追っていただけに、今になって色々考えることなど。