投資で最も成績が良いのは、「亡くなっているか、投資していることを忘れた人」という話は有名です。
どっちも駄目じゃん、と流しつつも、配当時期が来るたびにチラリと思い出すのです。
投資をされている方は、お手元に「エース株」というか、株でなくてもよいのですが、特別に感謝している資産をお持ちなのではないでしょうか。
自分にとっては、額は少ないですが「兼松エレクトロニクス」という銘柄がそれにあたります。
10年間ほど保有した結果、株価は4.5倍、投資額比の配当利回りは14.4%という凄いことになってます。
もはや原価を回収しそうな状況です。
ただこれ、狙って投資したわけではなかったんですよね。
ウソみたいな保有経緯
10年前、勤め先の当時の取引先に「兼松コミュニケーションズ」というところがありまして、普及期に入ったスマートフォンに関して諸々助けられていました。
昔の自分、「こういう業界の株を持てば、のちのち報われるかもしれない」などと考えます。
会社概要の主業は勤め先との間で進んでいた仕事と違いましたが、尊敬を覚えるだけでした。
そうして購入した銘柄は「兼松エレクトロニクス」…。
バカなの?
会社の名前を間違えて、しかもそれに気づかないという。
あまりに気づかなすぎて、またちょうどその頃はネット専業証券中心へ切り替えた時期でもあり、旧証券にあったこの銘柄のことはほとんど忘れていました。(ほんとにバカなの?)
しかし、何が幸いしたものか、この間違いは結果的に幸運をもたらします。
なんだかんだで心を改め、時を経て見直してみればあら不思議。
知らないうちに増配を重ね、値上がりし、お宝株になった銘柄がいらっしゃるではないですか。
もっと頑張れただろう自分!
まあ、未熟者というのはいつもそんなもんです。
投資していることを忘れたい
もちろん、すべての企業が無条件に成長するわけではありません。
状況が変わることもあるので監視だって必要です。
でも、間違いがきっかけで保有したこの銘柄は、投資のあるべき形を教えてくれたように思うのです。
良い投資ができたなら、その投資先は持続的に成長し、株価と増配で長期的に報いてくれる。
あとは、忘れるがごとく保有し続けるのが正しいのだと。
いま買おうとしているのは、保有したまま忘れてもいい銘柄だろうか?
本業が常に進化し、稼ぎをあげて社会に貢献し続けるような投資先を選べているだろうか?
この答がイエスで、実際投資など忘れたままで暮らす人が最強ですね。
そんな銘柄選びの基本姿勢を、こうして思い出さないとすぐに忘れてしまう自分…。
しようもない保有がたくさんあります。
忘れるのはそっちじゃないだろう、というセルフツッコミを入れるこの頃なのです。